総合型選抜(旧:AO入試)を徹底解説、何が変わった?|中学受験エリート

総合型選抜(旧:AO入試)を徹底解説、何が変わった?

 

 

「AO入試」という言葉は聞いたことがあっても、「総合型選抜」と聞くとあまり馴染みがない方もいると思います。

2021年度の入試からAO入試は「総合型選抜」という名称に変更されています。

ちなみに、他の推薦入試として、指定校推薦公募推薦「学校推薦型選抜」という名称に変更されています。

今回は、こうした名前の変更で、どんな事が変わったのか、どんな学生が求められている入試なのかについて解説していきたいと思います。

 

AO入試とは?

「AO入試」のAOとは「アドミッション・オフィス」の略となっています。

各大学や学部が提示する「アドミッション・ポリシー」に基づいた選考方法です。

 

この「アドミッション・ポリシー」とは、募集している大学や学部の求める学生像が記載されたものです。

この内容は大学ごとに様々であり、AO入試が「マッチング入試」と言われていたのもそうした理由からです。

 

各大学のアドミッション・ポリシーは、文部科学省が唱えている3つのポリシーを基に作られています。

下にその元となっている3つのポリシーを引用します。

 

〇ディプロマ・ ポリシー:各大学、学部・学科等の教育理念に基づき、どのような力を身に付けた者に卒 業を認定し、学位を授与するのかを定める基本的な方針であり、学生の学修成 果の目標ともなるもの。

 

〇カリキュラム・ ポリシー:ディプロマ・ポリシーの達成のために、どのような教育課程を編成し、どのような教育内容・方法を実施し、学修成果をどのように評価するのかを定める基 本的な方針。

 

〇アドミッション・ ポリシー 各大学、学部・学科等の教育理念、ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポ リシーに基づく教育内容等を踏まえ、どのように入学者を受け入れるかを定め る基本的な方針であり、受け入れる学生に求める学習成果(「学力の3要素」※ についてどのような成果を求めるか)を示すもの。 

※(1)知識・技能,(2)思考力・判断力・表現力等の能力,(3)主体性を持 って多様な人々と協働して学ぶ態度 

 文部科学省HPより

 

総合型選抜に変わったのはなぜ?

各大学のアドミッション・ポリシーを見て頂ければわかると思いますが、多くの大学でその内容は非常に抽象的です。

例えば、上智大学はキリスト教の精神に基づき個性的なアドミッション・ポリシーを明示していますが、多くの大学はそこまで大きな差がないように思えるかもしれません。

 

どの大学も基本的に「将来性のある人間」を採用するという点であまり変わっていません。

各大学のアドミッション・ポリシーに関して、もう少し独自性を持って具体的にしなければいけないという問題意識が、この名称変更が行われた一因でもあります。

 

変更点①:大学入学共通テストを導入

これは、新しい入試システムに対応するための策です。

学習指導要領の変更に伴い、重視されるようになった点、そして共通テストという新しい尺度の入試形態に総合型入試も対応しなければなりません。

そうした理由から大学によっては、2021年から大きく変更された共通テストの結果を選考過程で用いる大学があります。

 

変更点②:選考内容の多様化

人間性を評価する入試において、今まで以上に多様な選抜方法が求められるようになりました。

面接小論文だけではなく、プレゼンテーションや資格の義務など、様々な観点を用いて選抜するようになりました。

 

変更点③:調査書

今まで行ってきた高校での活動について、成績重視の調査書システムから、ボランティアといった課外活動の重視へと切り替わっていっています。

 

実際に大幅に変わったとは限らない

総合型選抜に変更するタイミングで示された選抜方法における変更は、文部科学省が方針を示しているのは確かですが、各大学が忠実に全て従っている訳ではありません。

実際にはさほど選抜システムが変化していない大学も多くあります。

 

総合型選抜の入試は?

ここまで、総合型選抜ではどんな人材を求められているのかをざっくりと説明しましたが、こうした人材をどのような入試形式で選考していくのでしょうか。

 

 試験内容について

総合型入試の求める人材は各大学によって様々なので、その試験方法も様々になるはずです。

ですが、大体の大学で課される方式は決まってきています。

多くの大学では、志望動機やアピールポイントなどの書類による選考が行われます。

その後、その審査に通った志望者は、小論文や面接を経て合格発表が行われます。

 

出願から合格までの期間

出願期間は国立大学と私立大学で異なってきます。

国立大学は、早いところでは9月に始まったりするところもありますが、多くは10月〜11月に集中して行われます。

合格発表は12月頃に行われることが多いです。

 

私立大学は早いところでは6月頃から始まります。私立大学では、書類選考などの前に、あらかじめエントリーをしておかなければいけない場合が多く、本格的な選考期間は8月〜10月に集中しています。

 

私立大学の方が国立よりも少し入試時期が早い傾向にあるのが掴めたでしょうか。

 

出願条件は?内申点も怠ってはいけない

先ほども述べましたが、総合型選抜は学校推薦型選抜と違い、生徒の過去ではなく、未来をみる選考です。

そのため、総合型選抜では、学校での評定平均や具体的な成果を前提条件としては課さない場合が多いです。

 

それでも、評定平均や成果を課している大学はあり、評定「平均3,5以上」であったり、英検取得が必須になっているところもあります。

評定平均を見ると、指定校推薦における評定平均は私立大学では4.0以上は課されることが多く、そう考えると、基準としてはゆるやかであると言えます。

 

内申点に関しては、基準を課さないかもしくは最低限の基準として提示される場合が多いと説明しましたが、総合型入試が求めている「将来性のある人間」というのをどのようにアピールすればいいのでしょうか?

 

 

終わりに

AO入試から総合型選抜に変更されましたが、その入試形態の核となる部分は変わっていません。

皆さんの経験や今後に関する明確なビジョンを上手く説明し、大学の求める人材とマッチすることが大切になってきます。

総合型入試を受験しようと考えている皆さんは、アドミッション・ポリシーを読むところから始めましょう。

電話 メール