大学受験エリートのSuuです。
この記事では、スタディサプリの映像授業について、
「オススメの視聴法」
「授業のポイント」
などを紹介していきます。
今回は、
高1・高2 トップレベル数学ⅠAⅡB 第43講
因数定理・剰余の定理
です。
講座のタイトルからは分かりにくいですが、
第44講の「A=BQ+Rについて」とテーマは同じです。
そのため、この2つの講座はセットで視聴しましょう。
因数定理・剰余の定理ですが、どちらも
多項式の余り付き割り算
に関連する定理です。
(この記事では、整式のことを多項式と呼ぶことにします。)
多項式の余り付き割り算について復習しましょう。
2つの多項式A、Bがあったとき、
A=BQ+R
とかける。
というのが、多項式の余り付き割り算でした。
具体的な計算よりも、上記の
A=BQ+R
という、Bを使ったAの式変形として捉えたほうがいいです。
それではチャプター1の内容へ……
とはいきませんね。
一番大事な情報が抜け落ちています。
余りの多項式Rの次数は、
割る多項式Bの次数よりも小さい
という条件が、余り付き割り算のキーです。
この次数に関する条件こそが、余り付き割り算の魂です。
(この次数に関する条件があると、商と余りの一意性も従います。
余裕のある人は一意性の証明も考えてみましょう。)
まとめておきます。
多項式の余り付き割り算を考えるときは、
① A=BQ+R
② Rの次数 < 余りの次数
の2つに注目します。
Chapter1
問題(1)の解説です。剰余の定理の証明ですね。
授業動画の解説通りなのですが、
① A=BQ+R
② Rの次数 < 余りの次数
しか使っていないことに注目しましょう。
特に、証明のキーとなっているのは
② Rの次数 < 余りの次数
です。
割る多項式(x-α)が1次式なので、
その余りRは0次式……つまり、定数です。
という部分が、剰余の定理・因数定理のミソになっています。
証明を見てもよく分からない……と言う人は、
もしもRが1次式や2次式だったら?
と思って証明を見てみましょう。
剰余の定理のようなスッキリした結果が出てこないことが分かります。
Chapter2
問題(2)の解説です。
剰余の定理の使い方……というよりも、
A=BQ+R の使い方
と思った方がいいですね。
A=BQ+R ですが、大抵の場合、
「Q」には興味がありません。
というのは、
「B=0」
になるようにすることが多いからです。
その雰囲気を、このチャプターで感じ取りましょう。
さて。問題文で、
f(x)を(x-2)(x-3)で割った余りが2x-3
f(x)を(x-1)2で割った余りが2x+1
という条件があります。
こういう条件をみたら、すかさず
f(x)=(x-2)(x-3)Q1(x)+2x-3
f(x)=(x-1)2Q2(x)+2x+1
と書きましょう。
この、
A=BQ+R
の形にしないと余り付き割り算の意味がありません。
このとき、Q1やQ2の正体は不明でOKです。
というより、そもそも気にしません。というのは……
割る数が0になるように、
xには2,3,1などを代入するから
です。
よく分からないけれど、割る数を0にすればうまく行く
と思ってOKです。
どううまく行くのかは……授業動画で鑑賞しましょう。
Chapter3
問題(3)の解説です。
とにもかくにも、
f(x)を(x-1)(x-2)で割った余りを……
と言われたら、
f(x)=(x-1)(x-2)Q3+R(x)
まで書いてしまいましょう。
おっと、これでは不十分でしたね。
もう一度、基本を思い出します。
① A=BQ+R
② Rの次数 < 余りの次数
が基本でした。
余り付き割り算の魂である、②の条件が落ちています。
f(x)を(x-1)(x-2)で割った余りを……
なので、割る数は2次式です。
つまり、その余りの次数は1次以下です。
(注意 授業の板書で、
「1次式以下」という言葉が出てきますが、
あまりいい表現ではないかもしれません。
「余りの次数は1次以下」などの方が無難だと思います。
カッコつけたい人は、「余りの次数は高々1次」とかもあります。)
ということで、
f(x)=(x-1)(x-2)Q3+ax+b
と書けるかどうかが、この問題のポイントです。
あとは相変わらず、
「割る式=0」
となるようにすればうまく行きます。
Chapter4
問題(4)の解説です。
この問題、高校生のときは鬼のように難しいと感じました。
今みてみると……
うん、やっぱり難しいですね。
授業動画で解説されているように、
割った余りをさらに割り算する
割った商をさらに割り算する
などの工夫をして、
「(x-1)2で割った余り」
の情報を可能な限り吸いだしていきます。
実は、あまり技術の要らない別解もあります。
それは……微分してしまうことです。
f(x)=(x-1)2(x-3)Q4(x)+cx2+dx+c
の両辺をxで微分して、x=1を代入します。
すると、
f'(1)=2c+d
という条件が得られます。
一方で、元々の条件式
f(x)=(x-1)2Q2(x)+2x+1
も微分してx=1を代入すると、
f'(1)=2
とわかります。
よって、2c+d=1
これと、x=1,3を代入した結果と合わせてc,d,eを求めることができます。
微分さえできれば、システマティックに条件を処理できるのがこの方法の利点です。
高校生のころ、この解法を知ったときは衝撃を受けました。
……ただし、ひとつ大きな問題があります。
数Ⅲで習う『積の微分』が必要なこと
です。(合成関数の微分も使っている、という見方もありそうです。)
そのため、数Ⅲを勉強した人しか使えない解法になっています。
だから堺先生も解説しなかったのですね。
参考程度に眺めて下さい。
(数Ⅲを勉強した人は、微分する作戦でいいと思っています。)