【問題集・参考書の活用法 英語 第13回 : 「頻出英文法・語法問題1000」】
このカテゴリーでは、Izu(いず)が様々な参考書・問題集の使い方の例を解説します。
第13回は、桐原書店さんから出ている英文法問題集「頻出英文法・語法問題1000」です。
毎度の定型文ですが、解説のスタンスは、この参考書・問題集を使うなら、ということです。
良い・悪いは個人の好みや学習状況で変わってきますので、それには触れません。
既にお持ちの方、これから参考書・問題集を買おうとしている方のお役に立てれば幸いです。
では、本題へ!
<英文法の理解が終わった後の、標準~応用問題アウトプットにおススメ>
さて、今回ご紹介する「頻出英文法・語法問題1000(以下「1000」)」ですが、最近似たような問題集名を聞いたばかりなような・・・
よくお気づきになりました!(気づいていないなんて言わせないよ絶対~♪)
前回の第12回で、「入試頻出 英語標準問題1100(以下「1100」)」をご紹介しましたね。
まだ読んでない方は、ぜひそちらも併せてお読みいただければ比較検討材料になると思います。
見た目も割と似ていますので、購入する際はちゃんと確認しましょう。
それはさておき、この2冊に共通する部分があります。
それは、「品詞」を意識した構成になっている、という点です!
各章のタイトルを見てみましょう。
第1章: 動詞とその周辺(時制・態・・・・・・分詞・動詞の語法)
第2章: 形容詞・副詞とその周辺(形容詞の語法・副詞の語法・比較)
第3章: 名詞とその周辺(名詞の語法・代名詞の語法)
第4章: 関係詞・接続詞・前置詞とその周辺(関係詞の用法・接続詞の用法・前置詞と群前置詞の用法)
第5章: その他の重要項目(主語と動詞の一致・・・)
構成が、「1100」とほぼ同じなんです(解説が別冊という点も共通しています)!
ただ今回の「1000」は、本のタイトルにある通り、英文法・語法がテーマです。
イディオムや会話表現は問題に含まれていない点に注意しましょう。
「品詞」に対する意識は、この後学習するであろう英文解釈や長文読解、英作文に活かされます。
ですので、この問題集を進める上では、今何の品詞がテーマなのか、を意識して学習するとよいですね。
そしてその問題数ですが、その名の通り1000題です!とはなりません笑。
4択問題だけで1066問、加えて、正誤問題や整序問題といった形式のExtra問題が各文法項目セクションの後ろについているのですが、その数201問!
合計で1200題以上となりますので、問題数がその名の通り1100題だった「1100」よりもボリュームが多いんです。
入試でよく問われる内容を4択問題で確認し、各文法項目のさらなる応用演習としてExtra問題に取り組むことで、ゆるぎない英文法の力を養えそうですね。
では、前回ご紹介した「1100」と今回ご紹介する「1000」どう使い分ければよいでしょうか。
おおざっぱに言いますと(roughly speaking)基本~標準レベルが「1100」、標準~応用レベルが「1000」となります。
実際に、今回の「1000」から数題を例にとってみましょう。
~第2章より 正しい選択肢を1つ選ぶ問題です~
He was ( ) soldier as ever shouldered a gun .
① as brave ② as a brave ③ brave as a ④ as brave a
まず、日本語訳にする上でも、以下の比較構文が頭に入っていなければなりませんね。
【 as+原級+as ever : これまでに~した誰(どれ)にも劣らず・・・ 】
また、shoulderは「~を担う・かつぐ」という他動詞で使われていますので、
「彼はこれまで銃をかついだ誰にも(負けず)劣らず勇敢な兵士であった。」
こんな日本語訳になりそうです。
ですが、①~④のどの選択肢も、それらしい日本語訳にはなりそうですよね。
ですので、日本語訳でこの問題は当然攻略はできない訳で、あります。
何となく、1番しっくりきそうな語順の②が答えかなぁ・・・でもそんな単純すぎる問題なんて出るかなぁ・・・なんて迷ったりしそうです。
この問題ではもう1点、頭に入れておくべき文法事項があります。
みなさんにお尋ねしますが、最初のas(原級の前)、この品詞は何でしょう??
そうですね、形容詞・副詞の原級を修飾している訳ですから、このasは副詞です。
これでもまだ解けない!
では次、副詞が修飾できない品詞は何ですか?
これは簡単ですね、副詞は名詞を修飾することは原則しません(動名詞は副詞で修飾しますが)。
そうすると、一見すると最も違和感のない②を入れると、
as+【a brave soldier】となり、副詞asが名詞句を修飾してしまうことになるため、正解ではないということになります。
では、どうすれば正しい表現になるのでしょうか。
この場合、asが修飾できる原級(この問題の場合形容詞brave)が前に出るんです!
as+原級+as~が基本形な訳ですし、asの直後に原級braveがくること自体に違和感はないですよね。
その上で、単数を示す不定冠詞「a」はこの文では必要になるはずなので・・・
as+brave+【a soldier】、これなら問題なし、ということになるんですね。
はい、正解は④でした。
この問題、不定冠詞「a」が絡むがゆえに、語順が悩ましい問題になるんです。
複数名詞であれば、そもそも語順がややこしい文にはならないため、わざわざ出題はしないでしょう。
この1問を例にとってみても、正解までのアプローチが難しいと感じるのではないでしょうか。
もう1問、例に出してみますね。
~第4章より 正しい選択肢を1つ選ぶ問題です~
I'm worried ( ) she is happy .
① as if ② about that ③ about if ④ about whether
日本語訳で悩むことは多分ないですね。
「私は彼女が幸せかどうか心配しています。」
こんな感じでしょうから、「~かどうか」という名詞節を導く接続詞を使いたいですね。
ですので、①の【 as if ~:まるで~のように 】は合わないなぁと。
②の接続詞thatは、in+thatの用法以外で前置詞の後ろに来ないし、意味も何か変になるから違うかなぁと。
選択肢の①と②を消すところまでは、そんなに難しくはないかもしれません。
はい、残った③と④、答えはどちらか1つなんですね。
みなさん、こんな例文を見たことがありますよね。
I asked him if/whether he liked coffee . / 私は彼に、コーヒーが好きかどうか尋ねた。
「話法」の勉強の時によく見る一文です。
この文のみから得られる理解は、接続詞if・whetherどちらも「~かどうか」という意味の名詞節を作るんだなぁ、となりますね。
確かに、動詞askの(直接)目的語に、「~かどうか」というカタマリがきています。
しか~し、この理解だけでは今回例に出した問題は解けないじゃないですか!
「~かどうか」の意味で使う接続詞ifは、動詞の目的語を形成する場合でしか使えない、というポイントがあります。
ですので、今回は前置詞aboutの後ろ(前置詞の目的語、と言います)に持ってくる訳ですから、ifは使っちゃいけないよ、という問題なんです。
はい、長くなりましたが、正解は④ということになります。
2問ご紹介しましたが、この問題集は随所に品詞を深く理解しているかを試す問題が散りばめられています。
ですので、「1100」よりも「1000」の方が、よりレベルの高い、難しい問題集だと言えるんです。
どちらもとても良い、伝統的な問題集と言っても過言ではありませんが、ご自身の現在の学力や目標大学に合わせ、適切な方を使うようにしましょう。
適切と言われましても・・・そうですね、目安もお伝えしましょう。
・難関国私立大を目指す方は、英文法の理解と同時並行で「1000」を学習
・英語にまだ自信がない方は、英文法の理解と同時並行で「1100」を学習、応用力をつける段階で「1000」に移行
こんな感じではないでしょうか。
英文法を理解するための参考書も、過去に数冊ご紹介していますので、今のご自身のニーズに合うものをチョイスしてくださいね(もちろん網羅系英文法問題集も他にもいろいろあります)。
適切なチョイスが完了したら、あとは繰り返しやるのみです。
最後に、おススメの学習方法をご紹介しますが、これは第1回でご紹介した「Vintage」の学習と同様です。
①週の目標(ここまで解く!という目安)を決める
②間違えた問題には赤で×を入れた上で要点・周辺事項を参考書等でおさらいする
③正解はしたものの根拠があいまいな問題には赤で△を入れた上で要点を同様におさらいする
④1つの章が完了したら、×△のついた問題だけ再チャレンジする(得点できたら青で〇をする)
⑤1周完了したら、急スピードで最初から解き直す(赤の×△が残っている問題は特に注意する)
問題数も多いですので、途中で間隔が空いたりしないよう、計画的に学習を進めてくださいね。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
今回は、英文法の標準~応用レベルの演習をじっくり取り組みたい方におススメな問題集「頻出英文法・語法問題1000」をご紹介しました。
英文法の網羅系問題集はとりわけ数が多いジャンルですので、なかなか今の自分にベストな問題集はご自身だけでは判断しにくいかと思います。
そんな方はぜひ一度、学習相談・体験受講にいらしてください。
目標・現在の学力・入試までの残り期間などを考慮し、ベストな学習方針を全科目ご提案いたします!
文系・理系問わず必要となる英語、毎回くどいですが、土台作りは、早めから!
それではまた次の記事でお会いしましょう。
See you !