【問題集・参考書の活用法 英語 第16回 : 総合英語Evergreen 文法の基礎力を身につけるトレーニング】
このカテゴリーでは、Izu(いず)が様々な参考書・問題集の使い方の例を解説します。
第16回は、いいずな書店さんから出ている英文法問題集「総合英語Evergreen 文法の基礎力を身につけるトレーニング」です。
毎度の定型文ですが、解説のスタンスは、この参考書・問題集を使うなら、ということです。
良い・悪いは個人の好みや学習状況で変わってきますので、それには触れません。
既にお持ちの方、これから参考書・問題集を買おうとしている方のお役に立てれば幸いです。
では、本題へ!
<その名の通り「基礎演習」に適した1冊>
以前【総合英語 Evergreen】という英文法参考書をご紹介しましたね。
読んだことがある~と思った方はもう、大学受験エリートの準会員みたいなものです笑。
この英文法参考書を、次のようにご紹介しました!
>大学受験の英文法参考書の「バランス型」といえるものですね!
>英語が苦手な方にも配慮した構成であり、「+PLUS」という枠で細かい使い方まで説明が加えられている、人を選ばない参考書と言えます。
そしてもう1つ、このように補足しました!
>別売りで「Evergreen 完全準拠文法問題集 文法の基礎力を身につけるトレーニング」という問題集があるのです!
>詳しくは触れませんが、準拠なだけあって、第1章~第24章の同じ構成になっており、基本徹底にフォーカスした問題ばかりです。
>ですので、英語に苦手意識を持っている方は、基本レベルのアウトプットに適したこの準拠問題集を別に用意し、並行して学習していくことをおススメしています。
ということで、今回はこの問題集にフォーカスし、丁寧に解説していきます。
まず、最初に押さえておきたい点からいきますね。
・総合英語Evergreen(英文法参考書) : 標準~応用レベル
・総合英語Evergreen(準拠文法問題集): 基礎~標準レベル
参考書は、英語が苦手ではない方にとっても充分理解を深めることができる参考書です。
そしてこの準拠問題集ですが、こちらはあくまで「基礎力」を養うためのものです。
ですので、必ずセットで学習しなければならない、というものではありません。
参考書Evergreenで学習を進め、まずは基本事項を身につけたい方に使ってもらいたい問題集ですね。
もちろん、英語苦手脱却のために他の参考書(例:やさしい高校英語/英文法INPUT)で学習を進めながら、英文法テーマ別基礎演習にこちらの問題集を使うことも有効です。
逆に、英語に苦手意識がなく、難関私大合格を視野に入れた学習をしていく方は、もう少し応用度の高い英文法問題集の方がよいでしょう。
では次に、構成をみていきましょう。
・第1章(文の種類)~第24章(接続詞)
この章は、参考書Evergreenの章と対応しています。
ひと通り重要英文法テーマは登場しますので、網羅系問題集の1つ、と言えますね。
・Part2(計767問)標準問題+Part3(計289問)応用問題=全部で1056問
Part1は?と思った方もいると思います。
総合英語Evergreenでは、Part1は「これが基本」という、いわば全体に通ずる考え方を最初に理解するパートでした。
Part2以降が「理解する」重要項目がきますので、それに準じた構成になっている、という訳です。
また、問題形式ですが、選択問題・空所補充問題・整序問題と、いわゆる「ド定番」の出題形式がバランスよく配置されています。
・大学入試センター試験問題に挑戦
各章の文法事項を問う、かつてのセンター試験での出題例が載せられています。
正答率も載っているので、基本事項を実際の入試問題に応用してみるいい機会となります。
では実際に、標準問題と応用問題から1題ずつピックアップし、この問題集の難易度を確かめてみましょう。
~標準問題より~
[並べ換え] これは私が最初に学んだ教訓の1つです。
This is ( lessons / of / one / that / the first ) I learned .
関係詞の章の問題ですね。
頭の中でスムーズに文を組み立てられましたか?
まず、教訓はlessonsが対応しますね。
最初の教訓の1つ、というまとまりを作りたいですので、
one of the first lessons
このようなカタマリをまず作ることができると思います。
そして、教訓に対して「私が最初に学んだ」という修飾がついていますよね。
後ろに I learned とありますので、ここにつなげればよいのだから・・・
はい、これでできました。
This is one of the first lessons that I learned .
このthatは、目的格の関係代名詞ですね!
目的格の関係代名詞を単独で使っているので、thatは省略することもできます。
また、この文ではwhichではなくthatが使われております。
先行詞に強い限定を示す語句(最上級や序数など)を含む場合、thatが好んで使われる、という理解もここで確認したいですね。
もちろん、1問1問に対して解説がありますので、間違った問題は解説+お使いの参考書で重要事項を確認しましょう!
~応用問題より~
[並べ換え] どんなに小さくてもいいから自分の部屋がほしい。
I want a room of my own , ( how / is / it / matter / no / small ).
難易度比較のために、同じ関係詞で、形式を整序問題で統一してみました。
どうでしょう、サッと頭の中で組み立てられましたか?
「自分の部屋がほしい。」の部分は前半で書かれていますね。
ですので、この問題は「どんなに小さくてもいいから」をどう表現するか、ですね。
与えられた語句を見てみましょう。
「howとmatterとnoがあるからあれしかないじゃん!」
そうですね、譲歩の複合関係副詞howeverの代わりに、譲歩を表すno+matter+how、この表現を使えばできそうです。
譲歩の複合関係詞は「たとえ~としても」という副詞のまとまりを作り、no+matter+everをとった形(この問題の場合how)で書き換えられるというのは基本です。
はい、簡単じゃないですか~!
no matter how it is small . ですよね!?
おっと、よくある「落とし穴」にはまってしまいました。
「どれほど」を表すhowの場合は、直後に形容詞または副詞をセットにして使いますからね!
ですので、正解はこうなります。
~ , no matter how small it is .
直訳だと「たとえどれほどそれ(部屋)が小さいとしても」、これを意訳し「どんなに小さくてもいいから」と表現しているんですね。
応用問題ですが、このhoweverの使い方は、絶対に頭に入れてほしい事項の1つです。
解説を読み、抜けているところは参考書に戻って再度理解をし直してくださいね。
このように、応用問題であっても、「基礎力を身につける」範囲から逸脱するような細かい問題は出てきません。
上で述べた通り、この準拠問題集ですが、こちらはあくまで「基礎力」を養うためのもの、だと言えるのです。
最後に、使い方ですが、これはもうお読みの皆さまの想像の通りです。
英文法参考書で理解した内容を、1単元ずつ基礎演習で復習する、という使い方がよいですね!
英語がすごく苦手な方であれば、さらに基本レベルに戻った問題集(よくわかる高校英文法問題集など)をやってから、Evergreenトレーニングに移ってもよさそうです。
いずれにしましても、英語にまだ自信がない方に取り組んでほしい問題集だと言えます。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
単語・イディオムのインプットはもちろんですが、英文法の理解+基礎演習も、早い段階で完了させましょう(高3になるまでには終わっていたいですね)。
文系・理系問わず必要となる英語、土台作りは、早めから、に越したことはありませんからね。
ではまた次回をお楽しみに!
See you !