このシリーズでは、英文法の各テーマにおける「差がつくポイント」を紹介します。
第1回英文法テーマは「文型」です。
基本事項を参考書等で理解した上で、知らない内容はぜひご自身の頭の中に追加INPUTしてくださいね。
では、肩の力を抜いてゆる~りお読みください! (by Izu)
<第1文型>
※There is 名詞(a ~ など) の構文も第1文型
例文: Are there any bookstores near here ? / この近くに本屋はありますか。
この文は、【主語:any bookstores】、【動詞:are】であり、それ以外は修飾語である(thereに「そこに」という意味はない)。
したがって、SとV以外の文の主要素が出てこないこの構文は、第1文型となる。
(be動詞でない自動詞が用いられることもある。⇒ There remains two problems with the conclusion . 「残ったままである」)
※この文は正しい?
例文: There is her pen on the table . / テーブルの上に彼女のペンがある。
⇒「~がある」の文ではあるが、there is の後にくる名詞(S)は、「初めて話題となるもの」なので、theや所有格が付いた名詞はこない。
この例文は、所有格herが付いている名詞がきているため、正しくない。 ×
(正しく書くなら、 Her pen is on the table . とする。)
<第2文型>
※第2文型で用いるcome・go
例文1: Her dream came true . / 彼女の夢は実現した。 ⇒ come+trueなど特定の形容詞で「~になる」
例文2: The milk went sour . / その牛乳は腐った。 ⇒ 正常な状態から好ましくない状態への変化を表す
※注意すべきbecomeの語法
例文: The new dress becomes you very much . / その新しい服はとてもあなたに似合ってるよ。
⇒「Cになる」で訳すと変。このbecomeは、後ろに目的語(you)をとっており、他動詞「~に似合う」の意味である。
<第3文型>
※第2文型と第3文型の見分け
例文1: I got an e-mail from her yesterday . / 私は昨日彼女からメールをもらった。
例文2: I got very nervous before the entrance exam . / 私は入試の前、とても緊張した。
⇒例文1は、私=Eメールではなく、「OをV~する」と訳せるため、第3文型である。
例文2は、私=緊張している状態であり、nervousはSである私の状態を説明している語であるため、第2文型である。
<第4文型>
※第4文型→第3文型 への書き換え
例文1[give+O1+O2の書き換え]: He gave a bag to Erika yesterday . ←【物(目的語) to 人】と書き換える動詞
例文2[buy+O1+O2の書き換え]: She bought a watch for Atsushi yesterday . ←【物(目的語) for 人】と書き換える動詞
⇒第4文型から第3文型に書き換える時は、動詞の意味によってtoとforのどちらを使うか考えなくてはならない。
前者のtoは「到達点:~に」を表す前置詞なので、主語が持っている物や情報(目的語)を他の人に届けるようにVしてやる、という意味合いを持つ。
後者のforは「利益:~のために」を表す前置詞なので、主語が他の人のために物や情報(目的語)をVしてやる、という意味合いを持つ。
簡単に理解するなら、「目の前に人がいないとできない動詞はto」「目の前に人がいなくてもできる動詞はfor」でよい。
【to型動詞の代表例: give(与える) / show(見せる) / tell(話す) / teach(教える) / lend(貸す) / send(送る)】
【for型動詞の代表例: buy(買ってやる)/ make・cook(作ってやる) / choose(選んでやる) / get(手にいれてやる)】
※この第4文型の例文は第3文型に書き換えられる?
例文: The work took me two days . / その仕事は私に2日がかかった。(=その仕事に私は2日を要した)
⇒take+O1(人)+O2(時間)とcost+O1(人)+O2(費用)は、第3文型で書き換えることはできないことに注意!
<第5文型>
※第4文型と第5文型の見分け
例文1: She made me a cake yesterday . / 彼女は昨日、私にケーキを作ってくれた。
例文2: The news made her happy . / その知らせは彼女をうれしくさせた。
⇒例文1は、私=ケーキが成り立たず、「人に物をVする」と訳せるため、第4文型である。
例文2は、彼女=うれしい状態が成り立ち、happyはOである彼女の状態を説明している語であるため、第5文型である。
<その他よく出題される事項>
①まぎらわしい自動詞・他動詞
【自動詞lie(横になる)】: 過去形lay - 過去分詞lain - 現在分詞lying
【他動詞lay(~を横たえる)】: 過去形laid - 過去分詞laid - 現在分詞laying
【自動詞lie(うそをつく)】: 過去形lied - 過去分詞lie - 現在分詞lying
例: He always lies (×lays) on the sofa after dinner . / 彼は夕食後いつもソファに横になる。
【自動詞rise(上昇する)】: 過去形rose - 過去分詞risen - 現在分詞rising
【他動詞raise(~を上げる)】: 過去形raised - 過去分詞raised - 現在分詞raising
例: Please raise (×rise) your hand before answering . / 答える前に手を挙げてください。
②自動詞と間違えやすい動詞
(つまり後ろに直接目的語をとれる動詞! V+前置詞+名詞の形にしないように注意。)
approach + O / ~に近づく・接近する
※approachの後にtoなどの前置詞を入れないこと!
marry + O / ~と結婚する
※marryの後にwithやtoなどの前置詞を入れないこと!
(get/be married to ~ の表現とごっちゃにしないように)
discuss + O / ~を(について)議論する
※discussの後にaboutなどの前置詞を入れないこと!
enter + O / ~(建物・場所など)に入る
※この意味では、enterの後にintoなどの前置詞を入れないこと!
(enter into ~で、「~に登録する・~を始める」という使い方はある)
reach + O / ~に着く・到着する
※reachの後にtoやforなどの前置詞を入れないこと!
第1回「文型」は以上です。
基本理解の上に差がつくポイントを積んで、アナタも「高校英語の文法マスター」になろう!