【問題集・参考書の活用法 英語 第18回 : 構文把握のプラチカ 英文解釈】
このカテゴリーでは、Izu(いず)が様々な参考書・問題集の使い方の例を解説します。
第18回は、河合出版さんから出ている問題集「構文把握のプラチカ 英文解釈」です。
毎度の定型文ですが、解説のスタンスは、この参考書・問題集を使うなら、ということです。
良い・悪いは個人の好みや学習状況で変わってきますので、それには触れません。
既にお持ちの方、これから参考書・問題集を買おうとしている方のお役に立てれば幸いです。
では、本題へ!
<英文解釈から長文読解へとつなぐハイレベルな1冊!>
英文解釈の問題集をご紹介するのは、これが3回目になりますね。
第6回「英文解釈ナビ」、第15回「入門英文解釈の技術70」、そして今回の「構文把握のプラチカ 英文解釈」です。
毎回同じことを書いて恐縮ですが、最初に英文解釈とは?からご説明しますね。
すでに読んだことがある方は、流し読みで結構です笑。
英文解釈とは、単語・イディオム・文法の習得知識を用いて、英文が伝えたい意味を正しく汲み取る、そういった訓練です。
もっと簡単に言ってくださいですって?・・・すみません、ひと言で表します。
「英文の意味を正しくつかむ訓練」です!
英文法がひと通り固まった後、いきなり数百語あるような長文読解の学習にシフトする前に、まずは英文解釈の訓練を取り入れたいのです。
英語の長文は、【長文全体 → 各パラグラフ → 一文一文】と細分化できます。
至極当たり前のことで恐縮ですが、英語の長文は一文一文が集まったものですね。
つまり、一文一文の意味を正確につかむ力があれば、英語の長文は時間さえかければ読める状態になっているはずです。
長文読解の学習はむしろ、本文の内容に関する設問処理を訓練する学習であり、また、時間内に長文を読んで解答する訓練であると言えます。
英文解釈の訓練は、これまで学習した単語・イディオム・文法の知識を長文読解につなげる「橋渡し」の役割を果たしますので、長文読解中心の学習に移る前段階の学習に取り入れてください。
とここまで、第6回・第15回でお話しした内容とほぼ同じです。
なぜ繰り返したかと言いますと、この英文解釈という学習過程を端折る(はしょる)受験生が少なくないからなんです。
特に「高3から受験勉強を始めました!」なんて方だと、入試本番まで時間はそんなに残されていないですからね。
そうすると、文法が固まっているのか微妙な状態でも、長文読解に入らざるを得なくなってしまうという訳です。
必然的に、英文解釈の練習がどっかにいってしまうんです、
そうならないよう、入試本番から逆算し、少なくとも英文解釈に特化した学習を「1冊」はこなすようにしましょう。
またも前置きが長くなりましたが、「構文把握のプラチカ 英文解釈」の内容をみていきましょう!
まず、過去にご紹介した2冊よりも、難度がグッと高まります。
ですので、英語に自信のある、最難関国私立を目指している高校生に使ってほしい1冊になりますね。
構成ですが、以下の2部構成になっています。
・第Ⅰ部 文構造の把握
§1:主語の発見/§2:動詞と文構造/・・・/§19:省略/§20:倒置
・第Ⅱ部 文脈の把握
A 論旨展開のパターン §1~3
B テーマ別読解研究 §1~3
第Ⅰ部が問題ページ全体のおよそ2/3、第Ⅱ部がおよそ1/3を占めます。
ここが1つポイントなのですが、第Ⅱ部で「長文」が登場するんです。
そこそこ読みやすい長文に、英文解釈の技術を応用する訓練、とでも言えますでしょうか。
まさに、長文読解への橋渡しまでを、1冊に凝縮している問題集ですね。
また、第Ⅰ部は、解釈テーマに対して、問題が複数問用意されています。
例えば§1の「主語の発見」では、7つの英文を和訳することになります。
第1部だけで77問あります。
各テーマに対応した複数の英文和訳問題がありますので、練習量もかなり積めますね。
実際にここで、§1から一文だけご紹介しましょう!
~以下の英文を読み、下線部を和訳しなさい。~
The system of having a permanent name for each family linking its members together and going on from one generation to another is very practical and convenient .
はい、これが最初のページの問題の中の1つです。
「最初でこの難しさ!?」と思った方もいるかもしれませんね…
しかも、語句の説明やヒント、といった手がかりはこのページには一切書かれていません。
ですので、英単語・イディオムが相当数インプットされていないと、歯が立たなさそうですよね。
さて、詳しい解説は端折りますが、この文の主語はどこからどこまででしょうか?
The system ~ to another まで、が正しい把握になりますね。
その上で、nameに対して3つの形容詞句で修飾がかけられていますよね。
1つめがeach~family、2つめがlinking~together、3つめはandの後のgoing~another、という構造です。
等位接続詞andの後ろが現在分詞で始まる形容詞句っぽいなぁと考え、だったら何か名詞に複数の修飾がかかっているはず、みたいに考えればよさそうです。
主語の中心が「半永久的な名前を持つという制度」となり、名前に対して「各家族に対して(つけられる)」・「家族の構成員(人々)を1つに結ぶ」・「ある世代からまた別の世代へと続いていく」という修飾がかけられている、と考えられましたでしょうか。
is以下は第2文型の単純な形なので、和訳に困ることはなさそうですね。
とまぁ、初っ端からかなり手ごわい英文解釈に取り組むことになります笑。
これまでの知識等を総動員し、まずは何とかぎこちなくとも日本語訳を作ることです。
その上で、解説と照らし合わせてご自身の解釈に誤りがないかを確認します。
1問に対する解説が、英文構造の説明から語句の確認までかなり細かく載っており、もちろん全訳例もあります。
ご自身の和訳の改善点を、解説ページからできる限り学んで和訳精度を高めていってくださいね。
このレベルの文で訓練していけば、1冊終わる頃には最難関大入試でも通用する英文解釈力がついているはずですよ!
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
今回ご紹介した「構文把握のプラチカ 英文解釈」、レベルは高いですが確実に力がつく1冊です。
入試本番まであまり時間が残されていない方は、この英文解釈学習と長文読解学習を並行して行ってください。
かなりハイレベルな英文解釈の問題集ですので、現在の英語力と目標とする大学と相談し、両条件を満たすのであればぜひぜひ使って学習してみてくださいね!
それではまた次回。
See you !