こんにちは!
大学受験エリートのSuuです。
高校数学のカンどころを分野別・単元別に紹介する、
るるぶ高校数学のシリーズです。
今回は、
数A 場合の数 その3 順列
です。
順列の話に入る前に、確認です。
前回の「数え上げの基本」の内容は把握できていますか?
「もれなく、重複なく」
場合分けに注目
区別する? しない? に注目
対応関係を意識
の4つが最重要です。
この意識を忘れないようにしながら、順列の勉強をしていきましょう。
ポイント① 樹形図を極めた到達点がnPr
まずはnPrについて習うと思いますが、その前に。
樹形図は極めつくしましたか?
順列nPrの計算は、樹形図の法則性から自然に導かれます。
地味なのですが、
「樹形図から分かる」と思ってnPrを計算する人と、
「よくわからない」と思ってnPrを計算する人とでは、
後の理解度が変わってきます。
nPrの計算なんて、樹形図から当たり前ジャン!
……と思えない人は、
nPrで計算する問題を、樹形図をかいて考えてみる
ということから練習して欲しいです。
急がば回れ、と言いますからね。
ここで、「意味は分からないけど、計算だけ覚えよう」とすると、
後で必ず手詰まりになります。
一歩一歩、樹形図と計算の対応を理解することをオススメします。
ポイント② nPrの計算になれよう
とはいえ、新しい計算なので、軽く練習はしておきましょう。
例えば、5P2なら、
5P3=5×4
という風に、
左の「5」から始めて、1づつ数字を減らしながら、
右の「2」個の数をかけ算するのですね。
この手の計算を、今後たくさん行います。
簡単でもいいので練習して、少し慣れておきましょう。
(この後、嫌と言うほど計算するので、自然に慣れていきますけれどね。)
ポイント③ 区別のできるものを、順番を区別して数えるのが順列だ!
さて、ちょっとタイトルの日本語があやふやですが、許して欲しいです。
順列のPは、実はかなり使用条件が厳しいです。
「何を区別する? 区別しない?」
の視点で言うと、
並べるものが、すべて区別できる
順番が違うものを、すべて区別する
という2条件がそろったときに使うのがPです。
具体的には、
[A,B,C]
のように、「並べるもの」はすべて区別ができるもので、
[A,B,C]と[C,B,A]は区別して2通りと数える
場合にのみ発動するのがPです。
この点に注目しながら、順列の問題たちを眺めて下さい。
赤玉2個、白玉3個……みたいに、区別できないものが出てくる問題はいないハズです。
順列を習っているんだから、Pを使おう!
と単純化すると、後で後悔します。
毎回、
並べるものが、すべて区別できる
順番が違うものを、すべて区別する
の2条件がそろっているから、Pを使うんだな
と確認しましょう。
それが、
「CとPの使い分け」
ができるようになる近道です。
ポイント④ 考えやすいものから考えて、考えにくいものは後回し
順列の定番問題として名高い(?)、
A、B、C、D、Eの5人並ぶパターンの問題。
いや、並べるだけなら簡単なのですが、
「AとBが隣り合う」
「AとBが隣り合わない」
などの条件付きで出題されますね。
こういう問題のコツは、
考えやすいものから考えて
考えにくいものは後回し
です。このマインドは、他の問題でも応用がききます。
「AとBが隣り合う」は処理しやすい条件だから、
先にAとBをくっつけて考えてしまおう。
「AとBが隣り合わない」のは処理しにくい条件だから、後回し。
他を並べて、後からAとBの並べかたを考えよう。
のようにとらえましょう。
考えやすい、処理しやすい条件から倒していくのが、
数え上げの問題全般のコツになります。
「0,1,2を1つずつ使って3桁の整数をつくる」とかも同じですね。
百の位に0は来れませんから、
条件が厳しく、考えやすい百の位から考える
という具合です。
処理しやすい条件、処理しにくい条件に注目しながら、
順列の色々な問題の解き方を眺めてみましょう。
ポイント⑤ 円順列は公式不要! 「1つを固定」で覚えよう!
順列の勉強では、「円順列」が出てくるのが定番です。
さらにセットで、
n個の円順列は (n-1)! 通り
という公式も定番で出てきます。
ですが、この公式は忘れてOKです。
私が主催している『役に立たない公式選手権』で、毎年上位入賞の常連です。
理由は、
そもそもすぐ思い出せる
少しの変形で使えなくなり、汎用性がない
の2点が揃うためです。
円順列ですが、「1つを固定する」という考え方を覚えましょう。
「ぐるぐる回転させたものも同じとみなす」という厄介なルールのもとで数え上げをするのが、
円順列です。
普通に数えると、重複が出てしまう……そこで。
「重複なく」数えるために、「1つを固定する」のですね。
こういうアイデアの部分を吸収しましょう。
アイデアの方さえ吸収すれば、公式なんてすぐに思い出せますし、
変形された問題でも対処できます。
いかがでしょうか。
実は、順列のPだけ勉強している間は、あまり悩まない人もいます。
だから危険なのです。
組み合わせのCを習い、「CかPか分からない実戦」になると、
途端に困り出してしまいます。
そうならないために、特にポイント③を意識しましょう。
順列のPの問題しか出ないうちから、
「なんで、この問題はPなんだ?」
をキッチリ意識して欲しいです。
上級者を目指す人は、ポイント④も意識しましょうか。
段々と、応用力に繋がっていきますよ。