このシリーズでは、英文法の各テーマにおける「差がつくポイント」を紹介します。
第4回英文法テーマは「完了時制」です。
基本事項を参考書等で理解した上で、知らない内容はぜひご自身の頭の中に追加INPUTしてくださいね。
では、肩の力を抜いてゆる~りお読みください! (by Izu)
<現在完了周辺の盲点> ※第4回は現在完了周辺の注意事項を押さえましょう!
※まちがいさがし その1
誤): She has gone out just now .
文末に置かれる【just now】は、「①今さっき/②まさに今」どちらかの意味で使い、①なら動詞は過去形に、②なら動詞は現在(進行)形になる。上の文は「①今さっき」に該当するため、動詞は現在完了にはしない。
正): She went out just now . / 彼女はちょうど今(=今さっき)外出しました。
※まちがいさがし その2
誤): She’s already heard the news , isn’t she ?
見慣れていないとやりがちだが、【He hasの短縮形はHe’s】・【She hasの短縮形はShe’s】となる。上の文は、明らかに受動態の例文ではないので、She’sはShe hasの省略形であると分かる。従って、付加疑問の形が間違っていると気づこう!
正): She’s already heard the news , hasn’t she ? / 彼女はその知らせをもう知っているんですよね。
※これは正しい? その1
例): She has finished the work already ! / 彼女はもうその仕事を終えた(んだって!)。
「alreadyはhave/hasと過去分詞の間に置く!」なんて教わってきたみなさま。確かに、その使い方が普通ではあるが、このようにalreadyを文末に置くと「もう!(何て早い)」のような驚きを強調することになる。従って、上の文は間違いではない。
※これは正しい? その2
例): Have you already finished reading the novel ? / あなたもうその小説読み終えたかな(終えたよね)。
「疑問文はyetを使う!」なんて教わってきたみなさま。確かに、純粋に尋ねている場合は文末にyetだが、あえてalreadyを疑問文で使うことにより、「もう~しましたか(したって言うよね!)」のように肯定の答えを期待していることになる。従って、上の文は間違いではない。
※これは正しい? その3
例): I have not once said such a thing to others . / 私はそんなことを1度も他人に言ったことがない。
「未経験はnever!」と習ってきたと思いますが、同意表現に【not once】や【never once】があるので、上の文は間違いではない。また、not~once のように、onceは文末に持ってきても問題はない。
※これは正しい? その4
例): Never (Not once) I have said such a thing to others .
この文は、否定の副詞を文頭に持ってきて、より意味を強めたものであるが、否定の副詞を文頭に出すと、直後は疑問文の語順にしなくてはならないという決まり(=倒置)があるため、上の文は語順を直さなくてはならない。
正): Never (Not once) have I said such a thing to others .
※定番の使い分け
例1): He has just been to the station . / 彼はちょうど駅へ行ってきたところだ。
→完了・結果用法
例2): He has been to Mexico before . / 彼は以前メキシコに行ったことがある。
→経験用法
例3): He has gone to Mexico . / 彼はメキシコに行ってしまった。
→完了・結果用法
例4): He has been in Mexico for many years . / 彼は何年もの間メキシコにずっといる。
→継続用法
【have/s been to】は「行ったことがある」・「行ってきたところ」、【have/s gone to】は「行ってしまった(今いない)」、【have/s been in】は「ずっと~にいる」という使い分けが基本となる。しかしながら、例2)の経験用法はアメリカではgoneを使うこともある。
※定番の書き換え
例文: My uncle died ten years ago . / 私のおじは、10年前に亡くなった。
この文では、過去のある地点を表すagoを用いているので、動詞は過去形(died)が正しい。
換①: My uncle has been dead for ten years . / (直訳)私のおじは、10年間亡くなっている状態だ。
このパターンでは、期間を表すforを用いているので、動詞は現在完了形になる。亡くなっている状態を表す文であるため、形容詞deadを用いる。(has died は、「これまでに亡くなってきた」という意味になり、この例文には合わない。)
換②: Ten years have passed since my uncle died . / おじが亡くなって以来、10年が経つ。
このパターンでは、主語に年月を持ってきているため、「pass/経過する」という自動詞を用いる。since以下は過去の話になるので、動詞は過去形(died)でよい。
換③: It is (has beenも可) ten years since my uncle died . / おじが亡くなって以来、今で10年だ。
このパターンでは、主語に時間を言うときのitを持ってきており、今○○年と伝えるためにbe動詞を用いる。このbe動詞は現在形でも現在完了形でもどちらでもよい。
※「最近」を表す語句と時制の使い分け
lately … 現在完了形とともに用いるのが普通。(稀に現在形・現在進行形・過去形とともに使っている文も見られるが)
recently … 現在完了形もしくは過去形とともに用いる。現在形・現在進行形とはいっしょに用いない。
these days / nowadays … 現在形・現在進行形とともに用いるのが普通。過去形は×(現在完了形は極めて稀)。
※「一定期間かけて行う」動作動詞の場合は、現在完了形・現在完了進行形どちらでも意味は大きく変わらない。
例文: I have waited for two hours .
例文: I have been waiting for two hours . (継続を強調)
第4回「完了時制」は以上です。
基本理解の上に差がつくポイントを積んで、アナタも「高校英語の文法マスター」になろう!