このシリーズでは、英文法の各テーマにおける「差がつくポイント」を紹介します。
第5回英文法テーマは「助動詞」です。
基本事項を参考書等で理解した上で、知らない内容はぜひご自身の頭の中に追加INPUTしてくださいね。
では、肩の力を抜いてゆる~りお読みください! (by Izu)
<canの盲点>
※まちがいさがし1
誤): After several tries , I could finally reach the top of the mountain .
「何度も挑戦し、私はやっとその山の頂上に到達することができた。」という意味の文。何も間違っていないように思えるが、過去に「1度だけ成功できた」という場合には、was/were able to しか使うことができない。
正): After several tries , I was finally able to reach the top of the mountain .
※まちがいさがし2
誤): I can’t have slept well for several days .
「ここ数日、私はよく眠れない。」という意味の文なのだが、「can’t have 過去分詞」は「~したはずがない」という意味になってしまう。【完了形+可能の意味】を表す場合は、be able to しか使うことができない。
正): I haven’t been able to sleep well for several days .
※canを用いた慣用表現
can’t help ~ing / ~せざるを得ない・~せずにはいられない
※同意表現:can’t (help) but 原形V~
can but 原形V~ / ただ~するばかりである
can’t ~ too … / いくら…く~しても、し過ぎということはない
<mayの盲点>
※祈願という用法
例文: May god bless you ! / 神のご加護がありますように。
この用法は、【May S + 原形V~ !】の形で用いるが、文語的表現であり、日常会話で使うことはあまりない。
※mayを用いた慣用表現
may(might) well 原形V~ / ~するのももっともだ・おそらく~するだろう
may(might) as well 原形V~ (as 原形V’~) / (~するくらいなら)~した方がよいだろう
<mustの盲点>
例文1: Must I finish this by noon ? ― Yes , you must . / No , you don’t have to .
答え方に注意する疑問文。「~しなければなりませんか?」に対しては、「~しなければならない/する必要はない」で答えるため、上のような答え方をすること。
(must:~しなければならない ⇔ don’t/doesn’t have/need to:~する必要はない)
例文2: He must be tired after travelling . / 旅の後だし彼は疲れているに違いない。
「~に違いない」という意味で用い、断定的な推量(確信)を表す。状態動詞とともに用いるのが普通。
例文3: He can’t be tired judging from his appearance . / 様子から見るに、彼は疲れているはずがない。
「~のはずがない」の意味ではcan’tを用いる。mustn’tにはこの意味はないので注意!
<shouldの盲点>
※「推量should(~のはずだ)」の否定文どう訳す?
例文1: It shouldn’t be difficult to answer this question .
「この問題に答えることは難しいはずがない」としてはいけない。「~のはずがない」はcan’tを使うことは学習済。この例文は「この問題に答えることは難しくないはずだ」など、difficultを否定するように訳すとよい。
※提案・命令・要求などを表す(that節内で用いる)
例文2: I suggested that the meeting (should) be put off . / 会議を延期することを私は提案した。
例文3: He required that she (should) stay home . / 彼は彼女に家にいるよう命令した。
提案・命令・要求を表す動詞に続くthat節内では、助動詞shouldを用いるが、このshouldはよく省略される。省略された場合、主語が3人称単数の時に「that節内の動詞の形がおかしい!」と思いがちなので注意が必要。
※他の動詞:advice(忠告する) / command(命令する) / demand(要求する) / insist(主張する) / order(命令する) / propose(提案する) / recommend(勧める) / request(頼む) など
<used toとwouldの使い分け>
助動詞used to … 「よく~したものだ(今はない過去の習慣)」・「かつては~だった(今はない過去の状態)」の意味。
例文: We used to talk about our dream . / 私たちはよく夢について語ったものだ(今はそうではない)。
※否定文はusedn’t toもしくはdidn’t use(d) toで、疑問文はUsed 主語 toもしくはDid 主語 use(d) toとなる。
※過去習慣のwould「よく~した」は、現在との対比ではなく、ただの回想で述べるだけである。oftenなどの頻度を示す副詞と、もしくはwhen節など過去の具体的な時を表す節・句とともに用いる。また、wouldに「過去の状態」の用法はない。
第5回「助動詞」は以上です。
基本理解の上に差がつくポイントを積んで、アナタも「高校英語の文法マスター」になろう!