このシリーズでは、英文法の各テーマにおける「差がつくポイント」を紹介します。
第6回英文法テーマは「受動態」です。
基本事項を参考書等で理解した上で、知らない内容はぜひご自身の頭の中に追加INPUTしてくださいね。
では、肩の力を抜いてゆる~りお読みください! (by Izu)
<受動態 ここが盲点!>
※byを省略するのはどんな時?
1: 動作主が一般的な人々や漠然とした人である場合
⇒例: English is spoken in Australia by them . / オーストラリアでは英語が話されている。
2: 動作主が不明である場合
⇒例: My bag was stolen by someone yesterday . / 昨日、私のバッグが盗まれた。
3: 動作主が前後関係で明らかな場合
⇒例: He is very strict . I was scolded by him yesterday . / 彼はとても厳しい。 昨日私は怒られた。
※まちがいさがし
誤): Green eyes are had by her .
「~を持っている」という意味の他動詞haveを、受動態で使うことはできない。他動詞(目的語を必要とする動詞)の中には意味によっては受動態では使えない他動詞もあるので、注意が必要。
受動態にしない他動詞: become 「~に似合う」 / cost 「~(費用)がかかる」 / hold 「~を収容する」 / meet 「~に会う」 / resemble 「~に似ている」 / suit 「~に適する・ふさわしい」 など
正): She has green eyes . / 彼女は緑色の目をしている。
※これは正しい?
例文1: His book didn’t sell well . / 彼の本はあまり売れなかった。
例文2: Her letter reads like a poem . / 彼女の手紙は詩のように読める。
どちらの例文も、主語と動詞の関係を考えると、受動関係であるから能動態ではおかしい、と考えがち。しかしながら、sellは自動詞で「Sが売れる」という使い方があり、readは自動詞で「Sは~と読める」という使い方がある。従って、上2つの例文はどちらも間違いではない。このように、能動態の形で受動態の意味を表す動詞を「能動受動態」といい、否定文で使うかwellなどの副詞を伴って使うのが普通である。
能動受動態で使える動詞例… clean 「Sはきれいになる」 / cut 「Sは切れる」 / show 「Sは上演(映)される」 など
※この文は受動態になれる?
例文(能): They have known each other for a long time . / 彼らは長い知り合いである。
この文の目的語はeach otherであるが、each otherや再帰代名詞(yourselfなど)が目的語の場合は、これを主語にした受動態の文は作ることができないことに注意する。
※People/They say that S V ~ や People/They believe/think that S V ~ の受動態
例文(能): They say that she is the best pianist in my town . / 【that節~】だと人は言っている。
この文の目的語はthat節であるが、そのまま主語にすると「主語が長すぎる」ので、受動態①は以下のように普通は言う。
例文(受①): It is said that she is the best pianist in my town .
形式主語itを用い、「~と言われている」という文を作る。不特定多数の動作主(by them)を表す必要はない。
また、that節内の主語(この場合はshe)を文の主語にし、以下の受動態②のように言うこともできる。
例文(受②): She is said to be the best pianist in my town .
「Sは~すると言われている」という受動態を作ることができ、【S is said to 原形V ~】という形になる。
※群動詞の受動態
例文1(能): A foreigner spoke to me yesterday . / 昨日、外国人が私に話しかけてきた。
例文2(受): She took care of my dog while I was out . / 私の外出中彼女が犬の世話をしてくれた。
動詞+α(前置詞など)で1つの動詞のように使うものを「群動詞」といい、群動詞の目的語を主語にして受動態を作ることができる。その場合、動詞+αのカタマリをそのまま受動態の形にすることに注意する。
例文1(受): I was spoken to by a foreigner yesterday . / 私は昨日、外国人に話しかけられた。
例文2(受): My dog was taken care of by her while ~ / ~中、私の犬は彼女によって世話された。
群動詞の受動態例: be brought up 「育てられる」 / be laughed at 「笑われる」 / be looked up to 「尊敬されている」 / be put off 「延期される」
※群動詞の受動態の例外
例文1(能): She took great care of me while I was in the hospital .
この場合、ほとんどの方は、私を主語にした以下の受動態を思いつくはず。
例文2(受): I was taken great care of by her while ~ . / ~中、私は彼女によく世話された。
もちろん間違いではないが、この群動詞は名詞を含んだもの(この場合はcareが該当)なので、下のような受動態もある。
例文3(受): Great care was taken of me by her while ~ .
このような受動態の場合、名詞にはgreat・good・littleなどの修飾語句を伴うことが多い。
群動詞(名詞含む)例: pay attention to ~ 「~に注意を払う」 / make an end of ~ 「~に終止符を打つ」
[おまけ] by以外の前置詞を用いる受動態 ※使う前置詞と意味を覚えてしまおう!
be covered with ~ 「~で覆われている」
be filled with ~ 「~でいっぱいである」
be known to ~ 「~に知られている」
※be known for ~/as ~「~で/~として 知られている」 と区別!
be surprised at ~ 「~に驚く」
be amazed at(with) ~ 「~に驚愕する」
be shocked at ~ 「~にショックを受ける」
be satisfied with ~ 「~に満足する」
be pleased with ~ 「~に喜ぶ」
be delighted with(at) ~ 「~に大喜びする」
be disappointed at(in・with) ~ 「~に失望する」
be frightened of ~ 「~を怖がる」
be worried about ~ 「~を心配する」
be interested in ~ 「~に興味がある」
be injured in ~ 「~でけがをする」
be killed in ~ 「~で亡くなる」
be married to ~ 「~と結婚している」
be crowded with ~ 「~で混んでいる」
第6回「受動態」は以上です。
基本理解の上に差がつくポイントを積んで、アナタも「高校英語の文法マスター」になろう!