このシリーズでは、英文法の各テーマにおける「差がつくポイント」を紹介します。
第7回英文法テーマは「不定詞」です。
基本事項を参考書等で理解した上で、知らない内容はぜひご自身の頭の中に追加INPUTしてくださいね。
では、肩の力を抜いてゆる~りお読みください! (by Izu)
<基本3用法の盲点!>
※正しく直せる?
誤): I found to finish reading this book in a day difficult .
「この本を1日で読み終えることは難しい、と私は分かった。」という意味で、動詞findを第5文型(OがCだと分かる)で用いている。第5文型の目的語にto不定詞のまとまりやthat節を持ってきたい場合、形式目的語itを使わなければならない。
正): I found it difficult to finish reading this book in a day .
※2つの例文の違いが分かる?
例文1: Please bring something to write with . / 何か書くものを持ってきてください。
例文2: Please bring something to write on . / 何か書くものを持ってきてください。
例文1は道具を表す前置詞withを使っているので「書くもの=ペンなど」となるが、例文2は「~の上に」を表す前置詞onを使っているので「書くもの=紙など」となる。
※結果用法の【only to ~】と【never to ~】の訳し方に注意
例): I hurried to the bus stop , only to miss the bus . / バス停まで急いだが乗り遅れただけだった。
例): He left the village , never to return . / 彼はその村を去ると、二度と戻ることはなかった。
残念・意外な結果に終わった場合に使うのが【only to ~】で「~しただけだった」と訳す。一方、【never to ~】はその後に「二度と~しなかった」という意味になる。どちらも、前にカンマが置かれることが多い(絶対ではないです!)。
※区別しよう!
例): Be careful never to cause a car accident . / 絶対に事故を起こさないように気を付けなさいよ。
例): Some books are written only to make money . / お金儲けのためだけに書かれている本もある。
どちらも「副詞的用法 目的」にonly・neverがくっついただけのもの。目的か結果かは、前後関係で判断するのが無難。
<その他to不定詞の差がつくポイント!>
※enough to の意味上の主語の位置に注意
例): This book is easy enough for him to read . / この本は彼が読めるほど易しい。
【 形容詞/副詞 enough (for 人) to ~ / (人が)~するほど・できるほど… 】
enough to ~ のカタマリで暗記してきた人ほど、for~を置く位置を間違えやすいので注意!to不定詞の動作主は、その直前に置くという決まりを考えると、enoughとtoの間に割って入ってくることになる。
書き換え: This book is so easy that he can read it .
so+形/副+that S (can) V ~ 「とても…なので、Sは~する(できる)。」としても、意味に大差はない。
※まちがい探し
誤): I became to know her while I studied abroad .
彼と知り合いになった、という意味の文を作りたいのだが、become to ~という表現は誤り。Vするようになる、とする場合はcome to ~ という表現を使わなければならない。
正): I came to know her while I studied abroad . / 私は留学中に彼女と知り合った。
※be+to不定詞の用法
例文1: The President is to visit Tokyo today . / 本日、大統領は東京を訪問することになっている。
例文2: He was never to see her again . / 彼は彼女と再び会うことはなかった(会わない運命にあった)。
例文3: You are to follow her advice . / あなたは彼女の忠告に従わなければならない。
例文4: Nobody was to be seen in that park . / あの公園には誰も見られなかった(いなかった)。
例文5: If you are to succeed , you had better study hard . / もし成功するつもりなら、あなたは~
どれも【be動詞+to不定詞】が使われている。この表現は、1つの助動詞のように文中で働くが、どれも形式張った表現。「例文1:予定 ~することになっている(公的行事等に使う)」・「例文2:運命 ~する運命にある(過去形と仲良し)」・「例文3:義務 ~しなければならない・すべきだ(shouldより強め)」・「例文4:可能 ~できる(否定文かつbe toの後は受動態が普通」・「例文5:意図 ~するつもり(ifなどの条件節で使う)」、の5通りの用法がある。
<原形不定詞の差がつくポイント!>
※この文の受動態を作れと言われたら?
例文(能): My mother didn’t let me play there . / 私の母は、私をそこで遊ばせなかった。
使役動詞のletを否定文で使うと、「~させない(禁止)」の意味になる。使役動詞letはそのまま受動態で用いることは極めて稀(普通に受動態でも使う使役動詞はmakeだけ)なため、以下のように言う。
例文(受): I wasn’t allowed(permitted) to play there by my mother . / ~遊ぶのを許されなかった。
使役動詞letに意味が似ているallowもしくはpermitを受動態にして言うとよい。
※何が違う?
例文1: I saw a duck cross the street .
例文2: I saw a duck crossing the street .
例文1は原形不定詞を用いており、「鴨が通りを渡るのを見た」、例文2は現在分詞を用いており「鴨が通りを渡っているのを見た」となる。原形不定詞はその動作の一部始終を表すのに対して、現在分詞はその動作の最中(瞬間)を表すことになる。
第7回「不定詞」は以上です。
基本理解の上に差がつくポイントを積んで、アナタも「高校英語の文法マスター」になろう!