このシリーズでは、英文法の各テーマにおける「差がつくポイント」を紹介します。
第9回英文法テーマは「分詞・分詞構文」です。
基本事項を参考書等で理解した上で、知らない内容はぜひご自身の頭の中に追加INPUTしてくださいね。
では、肩の力を抜いてゆる~りお読みください! (by Izu)
<分詞の盲点はコレ!>
※どちらの分詞を選択する?
There are a lot of 【 falling / fallen 】 leaves in the street . / 通りには落ち葉がたくさんある。
修飾先の名詞がleaves(leafの複数形)であり、落ち葉という日本語訳からfallingを答えに選びがちだが、この場合のfallは自動詞なので、現在分詞fallingは進行中であることを示し(落ちている最中の葉=ひらひら舞っている)、過去分詞fallenは受動ではなく完了の意味を表す(落ちてしまった葉=落ち葉)。従って、日本語訳の「落ち葉」に該当するのはfallenとなる。
※まちがいさがし
誤): He kept me waited for an hour .
O=Cということを考えると、「私=待っている側」つまり能動関係であると分かる。そもそも、waitは「人を待つ」という意味ではwait for 人のまとまりで使い、これを受動態にすることは非常に稀であるため、過去分詞で受動関係を表すことはまずない。
正): He kept me waiting for an hour . / 彼は私を1時間待たせたままにした。
※何が違うんだっけ?
例1): I saw some cows eat leaves .
例2): I saw some cows eating leaves .
原形不定詞(例1)の場合は動作が完結していることを示すので、最初から最後までを見ていたことになる。一方、現在分詞(例2)の場合は動作の途中の一部を示すので、一部始終をずっと見ていたかは分からない。
また、余談ではあるが、一瞬で終わる動作は原形不定詞を用いる。
( I saw a flog jump into the pond . / 私は蛙が池に飛び込むのを見た)
※have(口語ではgetを使うこともある)+O(目的語)+C(過去分詞) の使い方
使役): I had my bag carried there by a doorman . / 私はドアマンにカバンをそこまで運んでもらった。
主語にそうする意志がある場合、「Oを~してもらう」という使役の意味で使う(カバン=運ばれる側)。
被害): I had my bag stolen in the theater . / 私はその映画館でカバンを盗まれた。
主語にそうして欲しい意志がない場合、「Oを~される」という被害の意味で使う(カバン=盗まれる側)。
完了): I had the work done by myself . / 私はひとりでその仕事をやり終えた。
アメリカ英語でたまに見る言い方。「Oを~してしまう」と訳すが、【 I have already done ~ 】とするのが普通ではある。
※make+O+C(分詞)は、慣用表現を押さえる!
例): I can’t make myself understood in English . / 私は英語で話を通じさせることができない。
例); I didn’t make myself heard above the noise . / 騒音がひどく私の声は届かなかった。
【 make+再帰代名詞+understood / 意志疎通する 】・【 make+再帰代名詞+heard / 声を届かせる 】を覚えよう!
<分詞構文の盲点はコレ!>
分詞構文とは…分詞が接続詞と動詞の働きを兼ねた句を作り、文を修飾する働き(副詞句の働き)を持ったもの。
※分詞構文の作り方
例文): As I was very tired , I fell asleep before I knew it .
手順1): 接続詞を省略する
※though・ifなどは残す場合はあるが、条件・譲歩の文はそもそも分詞構文にするのが稀
手順2): S‘= S ならば、S’(接続詞に続く主語)を省略する
※主語が不一致ならば当然残す:独立分詞構文
手順3): 動詞V‘を現在分詞~ingに変える
※完了形の場合はhave/has/hadをhavingにする
手順4): 従属節に否定語がある場合は、手順3でできた~ingの前に出す
※notやneverが前にでてくる
手順5): 手順3の結果being+現在分詞/過去分詞 となった場合、beingも省略する
※元々が進行形/受動態
例文→分詞構文): Being very tired , I fell asleep before I knew it . / とても疲れていたので、私は寝落ちした。
※これは間違い?
例): Seeing from a distance . the rock looks like a lion .
「遠くから見ると、その岩はライオンのように見える。」という意味だが、分詞構文で省略された主語は「岩」なので、岩とseeの間には受動関係が成り立つことが分かる(When the rock is seen from ~ . …)ので、現在分詞は間違い。
正): Seen from a distance , the rock looks like a lion .
日本語訳に引っ張られないように注意!
※付帯状況with+独立分詞構文(S’+分詞)
「~しながら/~している状態で」という意味の部分の主語が異なる場合は、前置詞withに独立分詞構文(S’+分詞)を加えて表す。
例文1: She sat there with her eyes closed . / 彼女は目を閉じながらそこに座っていた。
例文2: She waited for us with the engine running . / エンジンをかけたまま、彼女は私たちを待っていた。
例文1の場合は「目=閉じられる側」なので過去分詞を、例文2の場合は「エンジン=回る側」なので現在分詞を用いる。
第9回「分詞・分詞構文」は以上です。
基本理解の上に差がつくポイントを積んで、アナタも「高校英語の文法マスター」になろう!