こんにちは!
大学受験エリートのSuuです。
高校数学の見どころ、勉強のポイントなどを紹介する、
るるぶ高校数学のシリーズです。
今回は、
数B 数列 その1 数列の基本(記号編)
です。
「高校数学 苦手単元ランキング」があるとしたら、
有力な上位入賞候補と噂される「数列」です。
数学が苦手な生徒から得意な生徒まで、
幅広い層から(悪い意味で)大人気です。
その原因は、要求される能力の幅広さにあります。
数列の学習では、次の㋐~㋒が必要になります。
㋐新しい記号の意味を理解する、記号に慣れる
㋑新しい考え方を習得する(「帰納的」という考え)
㋒「覚えるべきもの」はキッチリ覚えて、練習する
㋐~㋒はどの単元の学習でも大切です。
ただ、他の単元では
1つ2つできなくても誤魔化しがきくことが多いです。
(微分積分なら、㋒の練習さえしっかりしていれば、
㋐、㋑は適当でも問題が解けます。)
数列が厄介なのは、
㋐~㋒の1つでも欠けると、誤魔化しがききません。
勉強の仕方を間違えたり、油断したりすると、
苦手へまっしぐらに急降下!
それが数列の恐ろしさですね。
そこで、今回のるるぶ高校数学では、
数列の基本
からじっくり紹介していきます。
今回は
新しい記号を理解しよう!
がテーマです。
ポイント① 基本的な記号
ちょっと長くなりますが、大体つぎのようなことを習うと思います。
2,4,6,……
のように、数を並べたものを数列といいます。
数を並べているので、
1番目の数、2番目の数、3番目の数、……
を考えることができます。
1番目の数をa1,2番目の数をa2、3番目の数をa3、……
というように、
「右下に番号を小さく書く」
ことで表現するのが一般的です。
1番目、2番目、3番目、…… をいっぺんにまとめて、
n番目の数字をan
として表します。
まとめると、数列anは
a1,a2,a3,……,an,……
のような記号で表します。
もう、何がなにやらですよね。
右下にある小さな数字は「添え字」と言います。
この「添え字」が、今後はガンガン出てきます。
地味に大変なことの1つです。
ポイント② 新しい記号が出たら、具体例で確認しよう!
これは数列に限らないのですが、新しい記号や概念が出てきたら、
具体例
で確認することが大切です。
例えば、先ほどの記号だったら、
数列
2,4,6,……
について、
a1は、1番目の数字だから
a1=2
a2は、2番目の数字だから
a2=4
a3は、3番目の数字だから
a3=6
なることを、確認しておきましょう。
こういう作業を、自分の手で行うのが大切です。
ポイント③ 新しい記号は、「意味」を普段から復唱する
また、最初のうちは、新しい記号をみたら「その意味」を復唱するといいです。
a1は、1番目の数字
anは、n番目の数字
と、a1やanを見るたびに心の中で唱えます。
地味な作業ですが、非常に大切です。
数学が得意な人は、無意識にこの復唱作業をしている可能性が高いです。
最初は慣れない記号でも、
何度も見て
見るたびに意味を復唱する
ことを繰り返すうちに、
スッと心の中に入ってきます。
いきなり慣れるのは難しいです。
コツコツ意味の確認を繰り返して、慣れていきます。
数列の最初の「等比数列・等差数列」が終わるころには、
基本的な記号はスラスラと意味が浮かぶようにしておきましょう。
ポイント④ 最初は「公式のあてはめ」より「記号の意味」が重要!
数列で最初に習うのは、等比・等差数列です。
等比・等差数列の学習では、新しい公式がつらつらと出てきます。
ですが、
「記号に慣れる」
ことの方が重要です。
等比・等差の公式を習って、
「公式をあてはめて解こう」
とすると罠にハマります。
数列が苦手になる第一歩ではないでしょうか。
この辺りの詳しい注意は、等比・等差数列の記事でします。
等比・等差数列の勉強中に必ず次を意識して下さいね。
毎回、「記号の意味」を復唱!
くり返して、記号に慣れる!
ポイント⑤ 数列も関数のなかま
ここからは、上級者向けの内容です。
数列を勉強するときに、
関数との対比
を意識するとよいです。
例えば、
関数 f(x)=2x
を考えます。
x=1,2,3,……
を代入すると、
f(1)=2
f(2)=4
f(3)=6
……
となりますよね。
これが数列です。
普通の関数は、「すべての実数」をxに代入することが多いですが、
「自然数」だけを代入すると考えたのが「数列」
と考えられます。
代入するのが「自然数」限定なので、
変数「x」は「n」の文字を使う方が分かりやすいですね。
f(x)=2x
を
f(n)=2n
と書きましょう。
これを、数列の世界では
an=2n
のように表します。
この、
数列の記号anのは、関数の記号f(n)みたいなもの
という感覚は、後々役に立ちますよ。
数列の最初にならう等比・等差数列なのですが、関数でいうと
等差数列→1次関数
等比数列→指数関数
です。
例えば、1次関数の一般形が
f(x)=px+q
となるように、等差数列の一般形は
an=pn+q
となります。
これが分かっているだけでも、等差数列の見方が全然変わります。
例えば、
1次関数は通る2点が分かっていれば求められる
ように、
等差数列は、2つの番号の数字が分かっていれば求められる
ことが分かります。
求め方も、1次関数と同じですね。
代入して、連立方程式を解けばいいんです。
中学2年生の内容じゃないですか。
楽勝な気分になりませんか。
たかだが、
数列の記号an
のためだけに、1記事をつかってしまいました。
ですが、
この記号に対する慣れと習熟度が、
数列の実力に大きく関係します。
1記事をつかうぐらいの重要度があるんです。
ちゃんと「記号の意味」を意識しながら、
学習してくださいね。