こんにちは!
大学受験エリートのSuuです。
高校数学の勉強ポイント、みどころ、落とし穴などを紹介する
るるぶ高校数学のコーナーです。
今回は、
数B 数列 その6 シグマ計算(実践練習)
です。
→前回
前回のシグマ計算(基礎練習)の内容は大丈夫でしょうか。
シグマ計算を勉強する上で、絶対に外せないポイントを紹介しています。
小手先の公式うんぬんで勉強するのは危険です。
前回の内容・練習をしっかり行う前提で、今回の
シグマ計算(実践練習)
がありますから、注意して下さい。
(注意 前回の記事と同様に、
Σの「k=1からnまで」の部分は省略します。)
ポイント① Σ計算は「バラバラ」に計算できる!
Σ計算の最重要公式から紹介します。
Σ(ak+bk)=Σak + Σbk
Σpak=pΣak
この2つが、Σ計算の最重要公式です。
ややこしく見えますが、
「足し算の順序交換」と「分配法則」
をやっているだけの公式です。
ですので、
「Σ計算の意味」
が掴めてくれば、
「この公式が、当たり前」
と思えるようになります。
先ほどの公式ですが、
足し算はバラバラにしていいよ
定数倍は前に出していいよ
の2つを主張しています。
このような性質を、「線形性」と言います。
「線形性」の使い方ですが、
Σ(k2+4k)
=Σk2+4Σk
のように使います。
「k2+4kのΣ」は、
「k2のΣ」と「4倍の『kのΣ』」
に分解して、バラバラに計算できますね。
線形性については、「成り立たない例」も知っておきましょう。
例えば、三角比が有名です。
sin(x+y)を分配して、sinx+siny
とはできませんよね。
(代わりに、加法定理を使ってバラすことになります。)
ちょっと脱線しますが、sin,cosや、指数・対数の計算は何故ややこしく感じるのでしょうか?
それは、「線形性」が成り立たないからです!
言いかえると、慣れしたんだ「分配法則」の感覚で計算できないからです。
一方で、Σは「分配法則」の感覚で計算ができます。
そのため、記号にさえ慣れれば、
「今まで慣れた、普通の計算感覚」
で扱えるのがΣ記号のいいところです。
ポイント② Σk,Σk2,Σk3 はキッチリ覚える
次の3式は、暗記すべき式だと思って下さい。
Σk = n(n+1)/2
Σk2 = n(n+1)(2n+1)/6
Σk3 = {n(n+1)/2}2
実戦でΣ計算を利用する際の、ベースとなる基本公式です。
サラサラと、この結果が出てこないと計算に詰まります。
2乗、3乗については、すぐに導くのが大変なので、
暗記した方が効率的です。
(導き方は色々とありますが、面白いアイデアが詰まっています。
余裕があれば、導き方も一度見ておきましょう。)
とはいえ、まともに暗記するのは
Σk2
の公式だけです。
Σkについては、「等差数列の和の公式」そのままと言えます。
Σk3については、「Σkの2乗」と覚えておけばOKです。
ポイント③ Σrkの計算も知っておこう
ポイント②の3式に加えて、次の計算もパッとできるのが大切です。
Σrk=r(1-rn)/1-r
参考書には載っていない式かもしれません。
(実際、私の手元の有名参考書には載っていませんでした。)
ですが、実戦で重要になるΣ計算です。
仰々しく紹介した公式ですが……
ただの、等比数列の和の公式です。
改めて新しく覚える公式ではありませんね。
大切なのは、
Σ(等比数列)
の計算が、パパっとできることです。
ちょっと盲点になりがちなので、忘れないよう意識しておきましょう。
演習問題が不足する可能性があるので、
『今まで練習した「等比数列の和の計算」を、
Σ記号で表して、計算みる』
といった具合で、練習するのもいいと思います。
ここまでが、Σ計算の基本的な知識になります。
ここからは、応用的な計算パターンを先走って紹介しましょう。
ポイント④ Σ(分数) は、部分分数分解を疑おう!
Σ計算の勉強をしていくと、
Σ1/k(k+1)
の計算を学習します。
ネタバレをすると、
1/k(k+1)=1/k - 1/(k+1)
の部分分数分解を利用して計算します。
そういう上手い計算があるんだな、と納得しましょう。
Σ(分数) の形をみたら、
部分分数分解の利用を疑う
と思ってもOKです。
ポイント⑤ Σ(等差)×(等比) は、「公比」をかけて引く
次の有名パターンは、
Σ(等差)×(等比)
の型です。
数式の形も紹介しておくと、
Σrn(pn+q)
のように、
Σ(nの指数関数)×(nの1次式)
の形の計算です。
この形のΣ計算は、
S=Σrn(pn+q)
とおいて、
『rS-Sを考える』
のが定番の方法です。
呪文としては、
『公比をかけて、引き算』
という動きです。
この計算でうまく行くカラクリは、
等比数列の和の公式の導き方
と同じです。
前回の基本と、今回の①~⑤を習得すれば、
大学入試で必要なΣ計算の知識はそろうと思います。
そういう意味で、
実は、習う内容自体は多くない
のがΣ計算です。
それなのに難しく感じるのは、やはり
記号が新しく、慣れるのが大変
だからでしょう。
面倒ですが、
Σ記号と和の書き下しの変換を毎回やりながら、
今回紹介した公式を覚える・使う練習をしていきましょうね。
頑張りましょう!