こんにちは!
大学受験エリートのSuuです。
高校数学の勉強法、見どころなどを紹介する
るるぶ高校数学のコーナーです。
今回は、
数B 数列 その9 漸化式(入門編)
です。
→前回
いよいよ来ました、漸化式です。
数列の終盤戦ですが、非常に重要な内容です。
個人の意見ですが、
漸化式と帰納法を扱わないと、数列を習った意味がない
レベルで重要です。
漸化式の前提となる感覚を、以前の記事で紹介しました。
そちらも参考にして下さい
→るるぶ高校数学 数B ①数列 その2 数列の基本(「帰納的」編)
ポイント① とにかく計算練習をして、「漸化式を解ける」ようになろう!
まず、漸化式を勉強するときの心構えとして。
解き方を覚えて、徹底的に計算練習
を心がけて下さい。
イメージなのですが、
中学数学の「1次方程式」
と似ています。
1次方程式ですが、本当のゴールは
自分で方程式を立てて、方程式を解く
というアクションです。
方程式の応用と呼ばれる、文章題の問題ですね。
漸化式も同じで、漸化式を習うゴールは
自分で漸化式を立てて、漸化式を解く
です。
漸化式の応用ですね。
ただし、応用の以前に、
「漸化式を解く」
という動作を、サクサクできないと困ります。
1次方程式も、そもそも方程式が解けないと応用も何もありません。
ここにきて、急に「理解」よりも「計算」の重要度が増します。
注意しましょう。
ただし、その入口に立つのが大変だったりします……。
ポイント② 漸化式をみたら、実験しよう
an+1=2an+3
のように、
n番目とn+1番目の関係式
が漸化式と呼ばれるものです。
実際に数列を定めるには、最初の数も決める必要があります。
a1=1
an+1=2an+3
を考えてみましょう。
こういう漸化式を見たら、
具体的に実験する
ことをクセとしましょう。
最初のうちは、特にこの訓練が重要です。
実験の具体的な内容ですが、
a2, a3を計算する
でOKです。
実際にやってみましょう。
漸化式
an+1=2an+3
に、n=1を代入します。
a2=2a1+3
a1=1ですから、
a2=2×1+3=5
ふむふむ。具体的にa2=5と分かりました。
続けて、先ほどの漸化式にn=2を代入します。
a3=2a2+3
a2=5と分かっていますから、
a3=2×5+3=13
ふむふむ。具体的にa3=13と分かりました。
どうでしょう、
一歩一歩、an が決まっていく
感じがしませんか。
この「一歩一歩」という感覚が大切です。
この「一歩一歩」の過程を、
n番目とn+1番目の関係式
としてまとめたのが漸化式と思いましょう。
漸化式を学習する最初は、必ずこの実験を繰り返しましょう。
実験の繰り返しによって、
「一歩一歩」という感覚
「一歩一歩」をまとめた漸化式のイメージ
を掴んでいけます。
漸化式の解き方を習うと、すぐに「解こう」としてしまいがちです。
ですが、まずは一旦落ち着いて具体的な実験をしましょう。
ちなみに。
大学入試の実戦で出てくるような、難しい漸化式であるほど
具体的な実験
が大切になります。
見たことのない漸化式でも、実験することで
実は簡単な数列と分かる
漸化式のカラクリが見えてくる
ことがあります。
これらが解答の糸口になることも多いです。
『実験』は、初学者向けのアドバイスのようで、
実は上級者向けのテクニックでもあります。
ぜひ、実践して下さい。
ポイント② 今まで習った数列の漸化式を見抜け!
漸化式から、一般項を求めることを「漸化式を解く」といいます。
漸化式を解くことが、1つの目標になります。
では、漸化式の解き方を……
と、その前に。
今の段階でも、すでに解ける漸化式がありますね。
それは、「今まで習った数列」です。
今まで習った数列なら、一般項の計算ができます。
例えば、漸化式を見て
「これは等差数列だ!」
と見抜ければ、一般項なんてすぐに分かります。
それが、「漸化式が解けた」と言ってOKです。
とすると。大切なのは、
漸化式を見て、「今まで習った数列」を見抜く
能力です。
そこで、今まで習った数列の漸化式を見ておきましょう。
これらの漸化式は、「解き方」などありません。
今まで習った知識で、一般項を計算します。
等差数列の漸化式 an+1=an + d
「同じ数を足してつくった数列」
が等差数列でした。
そこで、
(n+1番目の数) = (n番目の数) +(定数)
というのが等差数列の漸化式です。
ここまで、1つ1つの式の意味を考え、
数列の記号に習熟してきた人なら、パッと見で見抜けるはずです。
「形を覚える」
のではなく、
「式の意味から判断する」
ことができることが大切です。
ただ、一応、見抜くポイントを紹介しておきます。
anの係数が1
「+定数」は、nと関係のない定数
の2点が、等差数列の漸化式になる条件です。
また、変形として
an+1-an=d
の形も、等差数列と見抜けるようになりましょう。
等比数列の漸化式 an+1=r・an
「同じ数をかけ算してつくった数列」
が等比数列でした。
そこで、
(n+1番目の数) = (n番目の数) ×(定数)
というのが等比数列の漸化式です。
変形として、
an+1/an=r
という形も考えられます。
この後学習する、定番の基本漸化式が等比数列に関わるため、
本当に一瞬で見抜けないといけません。
階差型の漸化式 an+1=an + (nの式)
等差数列の派生形です。
anの係数が1
というのは等差数列と同じなのですが、
「+定数」が、「+nの式」となっている場合です。
一般項の計算が少々厄介でした。
「Σ」が絡んだり、「n=1のときは別」などの細かい注意が必要でしたね。
まずは、実験を通じて「一歩一歩」の感覚を掴みましょう。
数学的にも重要な感覚で、「数学的帰納法」を理解するときにも必要です。
さらに、実験のクセは高級な問題を扱うときほど重要になってきます。
そして、「習った漸化式を見抜く」パートですが……
ここは、今までの学習姿勢が問われます。
数列の記事で繰り返し言っていることですが、
〇〇数列! 公式暗記!
としていると、いつまでたっても苦しいです。
一方で、「記号の意味」「数式の意味」がサラリと浮かぶようになっていれば、
漸化式から基本数列を見抜くのは簡単です。
今回の記事ではたどり着けませんでしたが、
最終的に「計算練習」が最重要です。
ですが、その入口に立つために、
「理解」の部分が要求されます。
厄介ですね~。
次回はやっと、
漸化式らしい漸化式の問題
に入ります!
頑張りましょう!