【問題集・参考書の活用法 英語 第5回 : 英文法参考書 「Evergreen」】
このカテゴリーでは、Izu(いず)が様々な参考書・問題集の使い方の例を解説します。
第5回は、いいずな書店さんから出ている英文法参考書「Evergreen」です。
毎度の定型文ですが、解説のスタンスは、この参考書・問題集を使うなら、ということです。
良い・悪いは個人の好みや学習状況で変わってきますので、それには触れません。
既にお持ちの方、これから参考書・問題集を買おうとしている方のお役に立てれば幸いです。
では、本題へ!
<受験英語の本格的学習スタートに適>
この参考書は、英文法テーマ別に、序章~第24章+付録のおよそ650ページで構成されています。
「不定詞」「動名詞」「比較」「仮定法」など、全ての文法事項を1冊で網羅できます。
とはいっても、英文法の参考書ですから、それは当然と言えば当然のことですね。
まず、「Evergreen」でなじみのない方、「Forest」という参考書はご存じですか。
現役の高校生はピンとこないかもしれませんが、少し上の世代なら「知ってる表紙が森のやつ!」とイメージできると思います。
そうです、EvergreenはFORESTの「後継」となる参考書なのです!
色使いが柔らかく、イラストでの解説も散りばめられており、パッと見たときに「これなら勉強しやすそう。」という印象を持つ方が多いですね。
内容も、全ての文法事項を考え方の土台から丁寧に説明されており、理解を確認する問題(Check)も要所要所についています。
まさに、大学受験の英文法参考書の「バランス型」といえるものですね!
英語が苦手な方にも配慮した構成であり、「+PLUS」という枠で細かい使い方まで説明が加えられている、人を選ばない参考書と言えます。
もう1点、この参考書のいいところは、第1章~第24章の導入部分にあります。
各章が【Part1 これが基本】→【Part2 理解する】・・・という流れになっています。
冒頭にくるこのPart1が、英語の考え方を理解する上でものすごく役に立つんですね。
例えば、英文法の他の問題集で「仮定法」の最初をやっているとします。
最初の問題カテゴリーが「仮定法過去」となっていても、そもそも仮定法って何?という考え方の部分を理解していないと他に応用ができません。
この「考え方を理解する」ところから始まるのも、Evergreenの特徴です。
せっかくですので、第12章:仮定法の「Part1」を見てみましょう。
仮定法と直説法:描く世界と動詞の形、という出だしで文章がスタートします。
続いて「君が大人になったらわかるよ。」と「君が子どもだったら許してもらえるんだけどね。」という2つの日本語が並んでいます。
この日本語の性質の違いから、これから学習する「仮定法」という動詞の話につながっていくんですね。
ここを理解することで、仮定法を「時制の一種」であるという理解ができるようになり、Part2以降の学習が深まるのです。
ちなみに仮定法のPart2は、ifを使った仮定法、仮定法過去、仮定法過去完了・・・と続いていきます。
理解がない状態ですと、仮定法過去:If+S+過去形V~,S+過去形助動詞+原形V・・・のように「形だけ」を覚えてしまう勉強になりがちです。
しかしながら、「現実の世界について話をしている時とは、動詞の形がズレている。」というPart1の一文を思い出せば、ここで過去形が使われる意味が分かりますね!
このように、いろいろな英文法参考書がある中で、バランスの取れた1冊を使いたい、という方に、Evergreenはおススメです。
もし「どの参考書がよいか決め切れない。」と思っている方は、ぜひ一度、本屋さんで手にしてみてください。
これなら間違いはないだろうな、という印象を持てると思いますよ。
最後に、理想的な使い方を説明しますね。
①どの章もCheck問題までを「1カテゴリー」とする
→1章を一気に進めるのは時間がかかりますので、細かく分けておきましょう。
②Part1をじっくり読んで理解する
→ここは時間をかけてもよいので何度も熟読してください。
③Part2以降を「1カテゴリー」ずつ読み、Check問題を解いてみる
→Check問題で間違えた箇所は、前に戻って復習しましょう。
④1章全て学習したら、問題集で基本をアウトプットする
→学習したらその文法事項を使って定着させることが重要です。
これを繰り返し1冊をマスターする頃には、ご自身の英語の力は格段に向上しているはずですよ!
ちょっと待ってくれと、問題集って何?と思った方もいるかもしれません。
Evergreenのいいところ、最後はこちらです。
別売りで「Evergreen 完全準拠文法問題集 文法の基礎力を身につけるトレーニング」という問題集があるのです!
詳しくは触れませんが、準拠なだけあって、第1章~第24章の同じ構成になっており、基本徹底にフォーカスした問題ばかりです。
ですので、英語に苦手意識を持っている方は、基本レベルのアウトプットに適したこの準拠問題集を別に用意し、並行して学習していくことをおススメしています。
(塾用教材なら【高校リード問題集 英文法A】もおススメです)
逆に、英語に苦手意識がないのであれば、第1回でご紹介したVintageなどと並行して学習するのがよいですね。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
単語・イディオムのインプットはもちろんですが、英文法の理解+基礎演習も、早い段階で完了させましょう(高3になるまでには終わっていたいですね)。
ちなみに私は、この手の指導(基本英文法の導入+演習)をこれまで最も担当してきました!
独学では厳しいなぁ・・・と感じる方は、ぜひ一度ご相談・体験受講にいらしてください。
文系・理系問わず必要となる英語、土台作りは、早めから、に越したことはありませんからね。
See you !