るるぶ高校数学 数Ⅰ ③2次関数 その1 関数の定義|中学受験エリート

るるぶ高校数学 数Ⅰ ③2次関数 その1 関数の定義

こんにちは!

大学受験エリートのSuuです。

 

高校数学の勉強法、見どころなどを紹介する

るるぶ高校数学のコーナーです。

 

今回は、

数Ⅰ 2次関数 その1 関数の定義

です。

 

2次関数ですが、数Ⅰの鬼門と言っていいでしょう。

多くの生徒から、

「苦手」「分からない」「もういやだ」

などの悲鳴声を聞いてきました。

 

2次関数までくると、「入試標準レベル」と言っていいような問題も出てきます。

そのため、数学に苦手意識が無かった人でも苦戦することがあります。

 

厄介なことに、数Ⅱ以降で習う関数がらみの内容は、

2次関数で学んだ考え方を基本

として進みます。

さらに、大学入試実戦の数学では、

2次関数の内容に帰着させて解く

ことも多いです。

基礎の観点でも、入試の最難関クラスの視点でも、

今後の関数の扱いの基本になる単元です。

 

きっちり気を引き締めてのぞみましょう。

 

今回は、そんな「2次関数」に対応するための

「関数の基本」

に焦点を当てて紹介します。

 

ポイント① 関数って何?

「関数って何?」

と聞かれてパッと答えられますか?

 

ちょっと答えにくい質問だったかもしれません。

少し質問を変えましょう。

「yがxの関数」とはどういうことでしょうか?

 

……このような質問に対する答えを、「定義」といいます。

つまり、

「関数」って何?

の答えを「関数の定義」と言います。

 

ちょっと厳しいことを言います。

このような、「定義」をしっかり知らないと危険です。

 

今までは、

「y=ax+bとおいて、代入して……」

のような、

「関数のもんだいのときかた」

を覚えれば対応できたかもしれません。

ですが、今後の数学は抽象度が増していきます。

抽象的な議論に必要なのは、「もんだいのときかた」ではなく、

議論の出発点である「定義」です。

 

そのため、「関数って何?」と言われて、答えられないのは致命的です。

今後、「一体何をやっているのか、さっぱり分からない」という状態になっていきます。

 

ということで、最初の質問への答えを書きます。

 

xの値を決めると、それに対応してyの値がただ1つ決まるとき、

yはxの関数という

このように、

ある変数の値を決めると、それに対応して値が1つ決まる関係のことを、

関数という。

 

この定義をしっかり理解しましょう。

「対応関係」のことを関数と言うイメージです。

なんなら、最初は「覚える」でもOKです。

長期的な視点で言うと、

「もんだいのときかた」なんかより、

「定義」の方がよっぽど価値がありますよ。

 

ポイント② 関数の記号f(x)に慣れよう! 「代入」に注目!

さて、早速ですが新しい記号が出てきます。

「yがxの関数」であることを、

y=f(x)

のように表します。

 

今後、f(x)の記号をバンバン使います。

yも省略して、単に関数f(x)と言ったりします。

(精密には、f(x)は値のことを指し、

関数のことは単に「関数f」と呼ぶのが筋だと思います。

高校生は気にしなくてOKです。)

 

非常に幅広い使われ方をする記号なので、段々と慣れてくるとは思います。

最初の段階では、「代入」のところだけ習得しましょう。

f(x)=x+1

に対して、f(1)と言われたら、

「xに1を代入したもの」

という意味です。

f(1)=1+1=2

 

このような、「代入」の操作に慣れるのがポイントです。

え? 代入なんて、中学からやってるから楽勝?

いいですね、心強いです。

 

f(a)=a+1

f(x-1)=(x-1)+1=x

のように、

文字に文字を代入する

xにx-1を代入する

といった抽象的な操作が出てきますが、楽勝ですね。

……いえいえ、楽勝ではありませんよね。

「代入」という操作を1つとっても、

非常に抽象的な操作が今後出てきます。

そういった操作に、段々慣れていきましょう。

 

ポイント③ 関数のグラフって何?

もう1つ、定義を確認しましょう。

今度は、少し答えやすい聞き方をします。

 

関数y=x+1のグラフの定義は?

……「直線」は定義ではなく、グラフの性質です。

そもそも、グラフって何を意味しているのか?

が大切です。

 

関数y=x+1について、少し具体的な実験しましょう。

x=1のとき、y=1+1=2

x=2のとき、y=2+1=3

x=3のとき、y=3+1=4

……

xの値を決めると、yの値が1つに決まりますね。

(そもそも、これが「関数」の意味でした。)

すると、

(x,y)=(1,2)

(x,y)=(2,3)

(x,y)=(3,4)

……

のように、対応するx,yの値のペアから、xy平面上の点が決まります。

この

対応するペアの点を、集めたものが

関数のグラフ

です。

 

(ちょっと難しいですが、上級者向けに、

集合の記号を使って抽象的に表しておきましょう。

関数y=f(x)のグラフとは、

{(x,y)|y=f(x),xは実数}

です。)

 

別の見方をすると、

関数のグラフは、関数の対応関係を図形的に表したもの

と言えます。

「図形的に」という部分が大切で、グラフを利用することで

関数の情報を視覚的に処理する

ことができます。

これが関数のグラフをかくメリットです。

 

ポイント④ 「定義」に戻って、中学数学を振り返る

ここで、必ずやって欲しい大切な訓練があります。

中学数学で習った「関数」に関わる内容を、「定義」を理解した上で、

見直して欲しいんです。

「もんだいのときかた」を、「定義から理解する」作業です。

 

具体的には、次の2つの質問に対して答えられるようになりましょう。

㋐グラフが点(a,b)を通るとき、関数の式にx=a、y=bを代入するのはなぜ?

㋑2直線の交点が、連立方程式を解くことで求められるのはなぜ?

中学校の教科書にちゃんと「なぜ?」の説明が載っています。

簡単なことではありませんが、ここでしっかり復習しておくことが大切です。

何故なら、これからの高校数学では

㋐、㋑の操作をもっと抽象的に行う

ことになるからです。

 

 

さて、今回のるるぶ高校数学ですが、実はほとんどが中学校の内容でした。

関数やグラフの定義は、本来中学校1年生の内容です。

ただ、本当に重要なこの定義。

まったく意識していない人が多いのも、体感しています。

どのくらい重要なのかを、ちょっと大げさに言うと……

今回紹介した「定義」が分かっていないと、数学が得意にはなれません。

いや、これは少しも大げさではありませんね。

だから本当に、きちんと意識して下さい。

 

グラフって何か? が分からないのに、

グラフのかき方を勉強して、グラフがかけても意味がないんです。

入試標準レベルの応用問題には、手も足も出ません。

数学得意な人も、そうでない人も。

プライドを捨てて、しっかり中学校の内容を振り返りましょう。

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