このシリーズでは、英文法の各テーマにおける「差がつくポイント」を紹介します。
第19回英文法テーマは「名詞」です。
基本事項を参考書等で理解した上で、知らない内容はぜひご自身の頭の中に追加INPUTしてくださいね。
では、肩の力を抜いてゆる~りお読みください! (by Izu)
<集合名詞を正しく理解する>
集合名詞:同類の人々やものが集まって形成しているグループ(集合体)を表す名詞をさす。数えられるものと数えられないものがある。
① 常に単数形で、複数扱いとなる集合名詞【U】の例
⇒ people(人々) / police(警察) / cattle(牧畜牛)
× The police is looking for the boy .
× The polices are looking for the boy .
○ The police are looking for the boy . / 警察はその少年を捜している。
※peopleは、「人々」という意味で使う場合は単数形で複数扱い(People are ~)だが、「国民」「民族」という意味で使う場合は普通名詞【C】扱いとなり、複数の場合はpeoplesとなる。
例): The Japanese are a hardworking people . / 日本人は勤勉な民族です。
② 常に単数形で、単数扱いとなる集合名詞【U】の例
⇒ furniture(家具) / clothing(衣類) / jewelry(宝石)
baggage・luggage(手荷物) / poetry(詩 ※poetの集合体)
× I bought furnitures at that store .
× I bought a furniture at that store .
○ I bought furniture at that store .
○ I bought a piece of furniture at that store .
※これらの集合名詞は不可算名詞なのでa/anはつけられない。数える場合は、a piece of ~ などをつけて数える。
※「多い」「いくらか」「少ない」「ほとんどない」を表す場合は、量を表す「much/a lot of」「some」「a little」「little」などを使う。
③ 単数形にも複数形にもなる集合名詞【C】の例
⇒ family(家族) / audience(聴衆) / committee(委員会)
generation(世代) / group(グループ) / team(チーム)
〇 My family consists of four .
「私の家族は4人です。」
→ 1つのまとまりとして考えているため、単数扱い。
〇 My family are all tall .
「私の家族はみな背が高い。」
→ 集合を構成する1人1人に焦点を当てているため、単数形でも複数扱い。
〇 A lot of families visit this park on weekends .
「多くの家族が週末この公園を訪れます。」
→ 家族という1つの集合体が複数個あるため、複数形になっている。
もちろん複数扱いなので、visitsとはしない。
<物質名詞・固有名詞の注意点>
※この場合、不定冠詞aは必要?
例): I ate a chicken this evening .
⇒ aをつけると「ニワトリ【C】」ということになるので、1羽丸々食べたことになるので、日常の食卓の様子としてはやや不自然な文に…
⇒ chickenを不可算名詞で使えば、食材(物質名詞の1つ)の「鶏肉【U】」となるので、この方が日常の食事であれば自然な言い方になる。
例): I ate chicken this evening .
※物質名詞(不可算)でもあり普通名詞(可算)でもある名詞の代表例
【物質】fire(火) ⇒ 【普通】a fire(火事)
【物質】paper(紙) ⇒ 【普通】a paper(新聞)
【物質】iron(鉄) ⇒ 【普通】an iron(アイロン)
<その他注意すべき名詞の使い方>
① 一対(ペア)で成り立っているものは、常に複数形で使うのが原則。
glasses(めがね) / shoes(靴) / scissors(はさみ)
gloves(手袋) / socks(くつ下) / jeans(ジーンズ)
trousers・pants(ズボン) / earrings(イアリング・ピアス) など
※数える場合は、a pair of ~、two pairs of ~、 のように数える。
例): I bought a pair of glasses yesterday .
「私は昨日ハサミを1本買った。」
※片方のみ指したい場合は単数形を使う。
例): I lost my shoe yesterday .
「私は靴の片方を昨日なくしました。」
② 学問の名称は複数形で表すものが多いが、単数扱い。
mathematics(数学) / physics(物理学) / economics(経済学)
linguistics(言語学) / politics(政治学) など
例): Politics is (×are) essential to be a politician .
「政治学は政治家になるために不可欠です。」
③ 前置詞+抽象名詞 の使い方
1. of +抽象名詞 :形容詞の働き
→ This book is of no value . / この本は何の価値もありません。
※形容詞valuable(価値のある) と同じ働きをしている
2. with +抽象名詞 :副詞の働き
→ He passed the exam with ease . / 彼は試験に簡単に合格しました。
※副詞easily(簡単に)と同じ働きをしている
3. in +抽象名詞 :副詞の働き
→ Listen to me in silence . / 静かに私の話を聞きなさい。
※副詞silently(静かに)と同じ働きをしている
④ 複数形になると別の意味を持つ名詞(知識問題で頻出なので覚えよう!)
arm(腕)・arms(武器)
custom(習慣)・customs(税関)
force(力)・forces(軍隊)
good(善)・goods(商品)
letter(手紙)・letters(文学)
manner(態度)・manners(礼儀作法)
term(用語・学期)・terms(間柄) など
⑤ 常に複数形を使う表現(4択問題で頻出なので覚えよう!)
change seats(席を替わる)
change trains(電車を乗り換える)
shake hands with ~ (~と握手する)
make friends with ~ (~と友達になる)
be on good terms with ~ (~と仲良くする) など
⑥ 似たような意味だが使い分けが必要な名詞(頻出中の頻出なので覚えて!)
【習慣・慣習】
custom(社会的・文化的な習慣)
habit(個人の無意識的習慣)
practice(個人の定期的な習慣)
【予約】
reservation ≒ booking(切符・座席・レストランなどの予約)
appointment(医者・面会などの予約)
【料金】
cost(費用)
charge(サービス料)
fare(運賃)
rent(家賃)
fee(報酬)
admission(入場料)
【客】
visitor(訪問客)
guest(招待客・宿泊客)
customer(お店の客)
client(依頼人)
passenger(乗客)
spectator(スポーツなどの観客)
audience(コンサートや劇などの観客・聴衆)
第19回「名詞」は以上です。
基本理解の上に差がつくポイントを積んで、アナタも「高校英語の文法マスター」になろう!