このカテゴリーでは、参考書・問題集おススメ4選を使って学習する際に、前もって知っておきたいことをIzu(いず)が質疑応答形式でお話しします。
第17回は、日本史【全カテゴリー共通】編です。
これからの日本史の学習にお役立てくださいね。
① 基礎を固める学習はどのように進めたらいいですか?
ここをやり切れるかどうかが、その後の得点力を左右すると言ってもいいですね。
ですので、少々長くなりますが、丁寧に説明していきます。
◇ 参考書等の活用の仕方
基本を固める上では、【参考書/用語集/一問一答もしくは知識整理】の3種の神器をご用意ください。
高校の進みに合わせて、参考書で「入試で問われるポイント」を中心に、因果関係等をつかみます。
「ひたすら人物・出来事・用語を覚えればいいのでは?」と思うかもしれませんが、入試ド定番の正誤問題では、1対1対応の知識だけでは通用しません。
背景→結果として起きたこと、のように理解をつなげていかないと、選択肢の誤りに気が付かないのです。
そのためにも、まずは既習範囲を参考書で熟読することが最初の学習です。
熟読する中で、重要人物・出来事・用語がたくさん登場します。
ここで「用語集」の登場です。
用語集で人物・出来事・用語を正しく理解した上で、暗記するようにしてください。
正しく理解しておかないと、これもまた正誤問題等で選択肢の誤りを見逃してしまいます。
用語集で調べたら、参考書の該当部分にマーカーを引き、用語集の該当ページを小さくメモしておくと、後から復習もしやすくなります。
そして、区切りのいいところまで参考書+用語集の学習が進んだら、一問一答の出番です。
その範囲の知識を正しく引き出せるか、一問一答で確認してください。
正解が出てこなかった問題には✔印を入れておき、後から復習する際の「要注意問題」という位置づけにします。
そして、参考書と用語集でもう一度その周辺知識を補強する、という流れになります。
このように、【参考書で理解→用語集で知識の確認→1問1答でアウトプット】の流れを切らさずに、学習を進めていきます。
時々、1問1答の解き直しを挟んで記憶の補強も図りながら、まずはひと通り流れを理解するようにしましょう。
このサイトでは、おススメ参考書等を各カテゴリーでレベル別に4冊ずつご紹介していますので、そちらも併せて参考にしてください。
◇ 高校の進度が変則的であった場合
高校によっては、高2で近現代、高3で古代~の、のような進度をとる場合もあります。
基本的な考え方としましては、高校の進度に合わせて学習するのが最善です。
ペースメーカーにもなってくれますし、何より高2のうちは部活動等で忙しいでしょうから、選択科目に2本の学習レールを敷くことはあまり現実的ではなかったりもします。
ですので、高3の夏休み前までは、基本は高校の進度と並行しての学習をおススメします。
高3の夏休み前、というのにも理由があります。
公立高校の場合ですと、全範囲の導入が終わるのが高3の秋~冬頃あたりになってしまうこともあるんですね。
こうなってしまうと、導入後の演習時間にあまり時間をかけられず、結果得点力がつききらないまま入試本番を迎えてしまう、といったことにもなりかねません。
ですので、このパターンに該当する場合は、高3の夏休みで「残り範囲を自分で進める」ことが必須となります。
学習の仕方は定着していると思いますので、ご自身で参考書+αを用いて高校で学習するより先に理解を進めておきましょう。
高3の夏休み明けからは、総合問題演習やテーマ史学習にスムーズに移行できるように、計画的に学習を進めてください。
◇ 選択科目の決定に関して
高2の段階では、英語・国語+選択科目の主要3教科のうち、選択科目に何をもってくるかなかなか決め切れない方もいます。
日本史?世界史?数学?となっているうちに、授業も先へ先へと進んでいきます。
高3になる直前にようやく「日本史にしよう!」と決めたとして、高2の間にすでに進んでしまった範囲を上記のような受験向けの学習ができていますでしょうか。
大半の高校生は、そこまで学習はできていないはずです。
そうなりますと、高3になって「選択科目」に時間をかなりかけざるを得なくなるんですね。
高3の学習範囲と並行して、過去の学習範囲も併せた受験向けの学習をしなければならなくなることは想像できると思います。
かなりの負担と時間を要しますので、他科目との学習バランスを崩してしまう要因ともなり得るのです。
ですので、選択科目の決定は、早ければ早いに越したことはないのです。
選択科目の完成度は、現役生の合否を左右する重要な要因です。
できれば高2の1学期のうちに決めておき、高3になるのを待たずして少しずつ受験向けに理解を深める学習を進めていきましょう!
② 導入が済んだ後は問題集を解きまくるのがいいですか?
上記の基礎固めがしっかりできていれば、確かにあとは演習量を積むだけですね。
高3の夏休み明けくらいからは、問題集を使っての得点力強化に学習ステージを移せるようにしておきたいですね。
それはさておき、入試レベルに近い問題での演習となると、最初は不正解が続出するはずです。
その不正解問題をどれだけ掘り下げられるかが、勝負所だと思ってください。
例えば、正しい選択肢を1つ選ぶ正誤問題で誤答をしてしまったとします。
選んでしまった選択肢は、ご自身は「正しい」と思っている訳ですから、知識があやふやだったということになりますね。
参考書や用語集に戻って、あやふやだった部分をクリアにする必要があります。
また、正解の選択肢を正解だとは思わなかった訳ですから、こちらもやはり参考書や用語集に戻って「正しい」ことを確認する作業が必要です。
このように、間違えた問題もしくは根拠が不明瞭な問題はとことん深堀りし、ご自身の理解の補強に役立ててください。
もちろん、問題には✔印を入れておき、2周目の際に丁寧に「思い出す」作業をしながら解いてみましょう。
さらりと2周目と書きましたが、問題集は入試レベルよりやや易しめな問題集1冊、入試レベルの問題集1冊は最低限用意し、それぞれ最低限2周し得点力を養ってくださいね。
このサイトでは、おススメ問題集を各カテゴリーでレベル別に4冊ずつご紹介していますので、そちらも併せて参考にしてください。
③ 直前期は過去問演習をひたすらやればよいですか?
直前は過去問演習をひたすらやる、というのは、もちろん全受験生に共通します。
過去問演習も、②と同様の学習イメージで進めてください。
制限時間も意識しながら解きつつ、どういった傾向があるのかを大学・学部ごとに把握しておくことも重要になります。
それに加えて、直前期は「テーマ史学習」が得点力強化には有効です。
テーマ史というのは、分かりやすいところでいえば「文化史」になるでしょうか。
文化史以外にも、土地史・外交史・貨幣史など、各テーマで時代をまたいだ学習が必要になります。
過去問の傾向に合わせて、よく問われるテーマを掘り下げる学習が直前期は有効です。
資料集も有効に活用しながら、重要ポイントを押さえて得点に直結する学習をしましょう。
以上、よくある日本史の「全カテゴリー共通」に関するQ&Aでした~!
現役生の中で最も点差がつきやすい選択科目、日本史を選択する方は、高3になって慌てて膨大な量を学習しなくても済むよう、高2のうちから少しずつ受験を意識して学習を進めていきましょう。