「国語はセンスだから」「筆者や出題者との相性が問題だから」
「勉強しても点数が伸びにくい」と思われがちな国語。
しかし、それは「なんとなく」で問題文を読んでしまっているからです。
国語もきちんと勉強すれば、問題との相性によらず安定して高得点を取れるようになります。
今回の記事では、大学受験の国語(現代文・古文・漢文)で点数を伸ばすための勉強法を解説します。
現代文
現代文の勉強の方法は、実は高校になっても小学校や中学校で習ったことと基本的に変わりません。
では何が違ってくるのかというと、「文章そのものの難しさ」です。
中学校時代と比べ、高校の授業や大学受験で出題されるような文章は扱われているトピックや語彙そのものが難しくなっており、全体的にとっつきにくくなっているのです。
文そのものの難しさに惑わされず、今まで習った読解のためのポイントをきちんと実行できるかどうかが高得点の鍵です。
漢字と語彙はスキマ時間にチェックしておこう
現代文の問題で基本となるのは漢字と語彙です。
漢字や現代文で出題されがちなワードがわからないと、漢字の書きや読みで点数が取れないだけでなく、その単語の含まれた文そのものの意味もわからなくなってしまいます。
英単語と同じように、早いうちから漢字用の問題集やキーワード集を使ってスキマ時間に知識を積み上げていくことが大切です。
問題を解いていてわからない単語があれば、その都度読み方や意味を調べることも忘れずに。
評論文:指示語と接続詞などに注目
評論文を勉強する時には、特に以下の2点に注意しながら読み進めます。
・指示語
・接続詞
「指示語」とは、「これ」「その動物」といった、何かを指し示す言葉のことです。
これが出てきたら、丸などの印をつけて指し示す内容と線で繋いでおくと間違えません。
基本的にそれよりも前の文章に指示後の内容はあるはずで、「これ」は比較的近く、「それ」は比較的遠くを指します。
「接続詞」とは、文頭や文中にある「しかし」「つまり」「だが」など、文と文を繋ぐ役割を果たす言葉のこと。
中でも読み取りの際に重要になるのは「だが」「しかし」「ところが」といった逆接と、「つまり」「すなわち」「要するに」といった要約の接続詞です。
逆接の後にはそれまでの主張と反対の内容が来ていますし、要約の後にはそれまでの文章を簡単にまとめて言い換えた文が来ています。
指示後も接続詞も、筆者の主張を正確に捉え、解答を考える上で大きな手がかりになります。
見つけたら印をつけ、見落とさないようにしましょう。
小説:登場人物の動作と情景描写に注目
小説を読む時に気をつけたいのは以下の2点。
・登場人物の動作
・情景描写
小説では登場人物の心情が問題を解く上でのキーになりますが、当然ですが文中に「〇〇は嬉しかった、なぜならばプレゼントを貰ったからだ」などの分かりやすくストレートな表現はありません。
ですから、登場人物の「動作」と「天気などの情景」から、彼らの気持ちを推し量ることになります。
例えば登場人物が「ドアを強く閉めた」のなら、怒っている・とても慌てているなどの心情が考えられます。
また、天気が晴れならば嬉しい、さっぱりした気持ちなど、雨ならば悲しい気持ちなどを暗示しています。
客観的に読む
現代文の問題を解く際に、評論文や小説・詩などに関わらず気をつけなくてはならないのは「客観的に読む」ことです。
簡単に言えば「筆者の主張をきちんと受け取る」ことであり、「自分だったらこう考える / こう思う」という気持ちを排除しなくてはなりません。
「自分はこう思う」という主観的な気持ちを持つことは大切です。
しかし、国語の問題を解くときは、点数をつける以上、誰が考えても同じ答えが出なくてはなりません。
ですから、必ず文章中の内容から論理的に答えが導き出せるように作られています。
そのため、自分の考えをもとにして答えを選んでしまうと、考え方が似た問題作成者に当たらない限り間違った答えを選んでしまう……
つまり、「問題によって当たり外れが出る」状況になってしまうのです。
「自分はどう考える」はとりあえず横においておいて、「筆者はどう考えていたのか」「この主人公はどう考えていたのか」を、根拠となる文章とともに説明できるようにしましょう。
古文・漢文
古文や漢文を勉強する時は、どちらも最初に文章を読むために必要な基礎的な内容を完璧にしましょう。
古文:単語・文法・古文常識
漢文:句法
古文・漢文共にそれほどの量はありませんので、受験勉強が本格化する高3より前に勉強を終えておくと後が楽です。
特に重要なのは、古文ならば「現代とは意味の違う古文単語」「助動詞の見分け」「係り結び」「敬語」、漢文ならば「再読文字」「否定」になります。
これら文を読むための基礎知識を完璧にした上で、実際の問題演習に取り組んで問題の解き方を覚え、知識を補強するようにしましょう。
国語の勉強法を知って「なんとなく」から脱却しよう
国語を勉強する時は、「筆者と出題者、そして自分はみんな違う人間である」という前提に立って読むことが大切です。
違う人間なので、考えていることは違います。
しかしだからこそ、「違う考えをする人にも分かるように」問題文は論理立てて書かれていますし、解答を選ぶ際には「誰にでも答えられるように」文中に根拠となる部分があるのです。
問題文の中に出てくる語彙の難しさや自分の考えに振り回されず、冷静に問題に取り組めば、安定して国語でも得点が取れるようになりますよ!