このカテゴリーでは、参考書・問題集おススメ4選を使って学習する際に、前もって知っておきたいことをIzu(いず)が質疑応答形式でお話しします。
第21回は、生物【全カテゴリー共通】編です。
これからの生物(生物基礎+生物)の学習にお役立てくださいね。
① 物理や化学があまり得意ではない場合、生物にした方がいいですか?
理系を目指す方は、理科のメイン科目を何にするか悩む高校生もたくさんいます。
理系志望の方は【英語+数学+理科1科目】が基本となりますが、理科2科目必要な国公立大学・最難関私立大学を受験する方は、理科のサブ科目も必要となりますね。
ここで、科目選択の判断根拠を「得意であるかそうでないか」を軸にするのは、あまりおススメできません。
理系の場合、「理科」の内容が最も大学での研究内容に直結するからです(もちろん数学科などは「数学」になるんでしょうが)。
ですので、最も良い理科選択の決め方は、志望学部・学科からの逆算です。
いくつか例を挙げるならば、【農学部全般/理学部生物学科/工学部生物工学科/看護学部】は、生物を理科のメイン科目に据えるのがいいですね。
志望大学・学部・学科を決める際、理科のどの科目が大学での学びに直結するか、という視点で理科の選択科目は決めるようにしましょう。
(もちろん、生物が好き・得意→大学でもっと深く研究したい!となるのもいいですね!)
誤解のないようにお伝えしておきますと、例えば農学部だからといって生物でしか受験できないという訳ではありません。
化学選択で農学部を受験する、といったような受験生も少数ではありますが存在します。
この場合、農学部の中でも化学寄りの研究(肥料の研究とかですかね)をしたい方なのかもしれませんし、同大学の理学部化学科が第一志望でありながら学内併願先の1つとして受験している方なのかもしれません。
繰り返しになりますが、大学で学びたい内容を頭に描き、その土台となるような科目を選択するようにしましょう(好きでもない科目を土台とする研究を大学でやりたい方はあまりいないと思いますが)。
② 学校で配られる教科書傍用問題集はどう活用したらいいですか?
教科書傍用問題集ではピンとこない方もいるとは思います。
【セミナー〇〇/センサー〇〇/リードα〇〇/Excel〇〇 ※〇〇には科目名が入ります】
上記の問題集のどれか1つが、高校(高2進級時あたり)で配付されることが多いですね。
どれも「生物の基礎固め」としては申し分のない問題集ですので、定期試験前にしか活用しないのは、少々もったいない話です。
もちろん、受験で使わないことが確定しているのであればそれでもいいかもしれませんが、生物を理科のメイン科目にするのであれば、普段の学習から力を入れなければなりません。
ですので、理系志望の方は特に、受験を意識した理科(生物に限らず)の学習を早めに始めるといった意味で、志望学部・学科を早めに決めることが重要になってきます。
高2時~導入が終わるまでの生物の受験勉強は、この問題集をマスターすることを必ず達成すべき目標にしましょう。
では、どのように進めていけばいいでしょうか。
もはや説明するまでもないと思いますが、高校の授業進度に合わせて「溜めずに」こなしていくことです。
何を当たり前のことを…と思う方もいるかもしれませんが、この「当たり前」が結構できない高校生が多いんですね。
特に高2の頃は、部活動も忙しかったり、数学や英語が難しくなってそちらに学習時間を取られたりで、どうしても生物の学習をまとめて定期試験前にまわしてしまいがちになるんですね。
例えば、高校の生物の授業で「光合成」に入ったとします。
授業では、カルビン・ベンソン回路?ATP?聞いただけじゃいまいち分からないなぁ、などと思う訳ですよ。
それを、次回授業までに教科書やプリントでしっかり理解し直し、問題集の該当部分で基礎事項をしっかりアウトプットしてほしいんですね。
その上で、分からない問題があれば高校の先生に質問するといいですね!
先生も「しっかり勉強してるな~えらい!」と思うでしょうし、ご自身の学力も向上する訳ですから、まさに一石二鳥ではないでしょうか。
このように勉強をしていく過程の中で、「受験向けにまとまった参考書がほしいなぁ。」さらには「もう少し入試レベルを意識した問題演習がやりたいなぁ。」なんて思う方が出てきます。
生物を受験科目にすると決まっているのであれば、受験が終わるまでお付き合いする参考書を1冊、そして学習内容を即入試基礎レベルに引き上げる問題集を1冊、早いタイミングで買っておきましょう。
プリント学習の場合、得てして「保管」が雑になったりで後から復習がやりにくくなる場合が多いですからね…
このサイトでは、生物のおススメ参考書と入試基本演習に適した問題集を、それぞれレベル別に4冊ずつご紹介していますので、メイン科目に据える覚悟が決まった方は、ぜひそちらも併せて参考にしてください。
もう1つ、入試で理科が2科目必要な方(理系国公立大や最難関私大志望だとこのケースに当てはまることが多いですね)に補足します。
高3になって理科2科目を同時並行で「ヨーイドン」で鍛えていくのは、残り期間的にかなり苦しいです(数学Ⅲの学習も入ってきたりしますからね…)。
2科目のうち、1科目で受けられる大学を受験する場合に使う方の科目は、【参考書理解+教科書傍用問題集活用+入試基礎レベル問題集活用】ここまでを高2のうちにやり切る気持ちで学習を進めましょう。
この場合、高校の授業よりも先を自分で進むことになるかと思いますが、ご自身が理解しやすい参考書を頼りに、「独力上等!」くらいな覚悟で頑張ってください!
③ 受験レベルの演習はどのように進めればいいですか?
まずは基礎固めですが、これは②で述べた通りです。
高校で導入が終わるまでは、基本は高校の授業をペースメーカーに参考書で受験向けのポイントを中心に理解し、教科書傍用問題集で基礎事項の確認をします。
もちろんこの時、大学入試用の問題集で、理解をさらに深める勉強(=入試基本演習)を加えることができればそれに越したことはありません。
「分野別」になっている問題集であれば、基礎固め進行中であっても充分にこなすことはできます。
他の科目との学習バランスが崩れないようであれば、高2生であったとしてもこの「入試基本演習」も普段の学習にムリのない範囲で取り入れながら進んでください。
(普段は教科書傍用問題集で手一杯な方は、高3の1学期~夏休み中までの期間で「入試基本演習」に集中的に取り組みましょう。)
ここで1つ、注意しなければならないことがあります。
それは、導入が高3の2学期以降も続くカリキュラムの場合です。
高3の夏休み明けからは、総合問題での演習→過去問演習で得点力を養う期間になります。
この期間が短いと、得点力が伸びきらないうちに入試本番を迎えてしまうことにもなりかねません。
そうならないように、高3夏休みで「残り範囲」を先に自分で学習してしまいましょう。
基礎固め学習がひと通り終わったら、いよいよ問題演習に入ります。
遅くても高3の夏休み終了までには入試基本演習まで終わらせ、以降は応用演習中心の学習に移行したいですね。
とはいえ、入試レベルに近い問題での演習となると、解き始めの頃は間違いが多発することが予想されます。
その不正解問題をどれだけ復習で掘り下げられるかが、入試での得点力を左右します。
例えば、「ウニの発生」の問題が出され、全く解けなかったとします。
発生といえば、ウニ・カエルは必ず勉強しているはずですよね。
ウニで言えば、プリズム幼生だとか、プルテウス幼生だとか、聞いたことはあると思います。
ですが得点できない、これ即ち「発生=ご自身の苦手な分野」と捉えます。
解説を読むだけではなく、参考書に戻りその分野を周辺事項まで再度理解し直すとよいですね。
理解し直した上で、再度その問題を参考書を見ながらでもいいですので、イチから解き直しをするようにしましょう。
このように、間違えた問題はその分野を参考書でしっかり理解をし直し、苦手分野を直前期にかけて1つ1つつぶしていくことが重要です。
それなりに時間はかかってしまいますが、得点力強化のためには必須な過程です。
既に「得点できる」分野をいくら深めたところで、全体の得点はそう変わらない訳ですからね。
苦手分野をつぶす学習の方が、全体として得点が伸びることに異論はないと思います。
また、間違えた問題には必ず✔印を入れておき、2周目の際に正しい理解を「引き出す」ように丁寧に解きましょう。
「2周目」と書きましたが、応用演習段階において問題集は入試レベルよりやや易しめな問題集1冊、入試レベルの問題集1冊は最低限用意し、どちらも最低限2周しこれまでの理解を実戦向けのものに仕上げていってくださいね。
(時間的猶予があまりない方は、2周目は✔印が入っているものだけにするなど、進め方は工夫しましょう。)
因みに、このサイトでもおススメ問題集を応用演習①/②とそれぞれレベル別に4冊ずつご紹介していますので、そちらもぜひ参考にしてみてくださいね。
そして直前期は、志望大学・学部の過去問演習です。
過去問演習で注意を払うべき点は、制限時間は当然として、もう1点、「傾向」です。
血液に関する問題の出題が多い、必ずと言っていいほど遺伝絡みが大問で2つ出題される、光合成の問題は毎年必出、など、受験する大学・学部の問題には何らかの傾向が見られるはずです。
(傾向がないのが傾向です、という場合もありますが…その場合は「総合力勝負」ですね!)
よく出題される分野で、失点が多い場合は、直前期に必ずつぶしておきましょう。
以上、よくある生物(生物基礎+生物)の「全カテゴリー共通」に関するQ&Aでした~!
理科は、現役生の合否を最も左右する科目であるといっても差し支えがないくらいです。
差をつける側になれるよう、大学で何を研究したいのかビジョンを描き、理科のメイン科目を早めに決め、後はコツコツ頑張っていきましょう(現役生の場合このスタートの早い遅いで大きく得点力が変わりますのでね)!