大学受験エリートのSuuです。
この記事では、スタディサプリの映像授業について、
「オススメの視聴法」
「授業のポイント」
などを紹介していきます。
今回は、
高1・高2 トップレベル数学ⅠAⅡB 第12講
3次方程式の実数解について
です。
3次方程式の実数解の取り扱いについての講座です。
2次方程式の実数解と言えば、
判別式を使った対応や、解の配置問題としての対応があり、
ある程度知識としてもっていると思います。
一方で、3次方程式の実数解を扱う機会は少なく、
対応に慣れていない可能性があります。
この講座で、しっかり対応の感覚を掴みましょう。
そういえば、3次方程式でも判別式はあるのですよね。
余談がてら、ちょっとその世界を紹介しておきます。
ax3+bx2+cx+d=0 の判別式は、
D=-4ac3-27a2d2+b2c2+18abcd-4b3d
です。
……非常に複雑ですね。係数に文字が入っている場合は大変そうです。
ただ、計算しやすい場合もあります。2次の係数が0の場合、
つまり x3+cx+d=0 の場合なら、
D=-4c3-27d2
となります。このぐらいなら実戦的でも使えそうです。
重解・実数解の判定ですが、
D > 0 ⇔ 相異なる実数解を3つもつ
D=0 ⇔ 重解をもつ
D < 0 ⇔ 実数解1つと、複素数解2つをもつ
と、判別式の符号から可能です。
2次の係数が0の場合はそこそこ使える可能性はありますが、
あくまで参考程度と思って下さい。
Chapter1
問題(1)の解説です。
第11講の内容を使って、素早く精密にグラフを情報をとらえるのが上手いですね。
グラフの情報さえ捉えられれば、目算でα、β、γの値が予想できます。
整数部分を正面から処理するのは難しいのですが、
「整数部分の答え」さえ分かっていれば、証明するのは難しくありません。
授業動画のように、具体的にx=(整数)のときのyの値を計算し、
そのときの符号をチェックすればOKです。
このように、
答えのアタリがついている
というのは強力な武器になります。
また、負の数に対する整数部分・小数部分の定義を確認しておきましょう。
具体的な定義は問題文に載っている通りなのですが、
「-1.2」の整数部分は「-2」、小数部分は「0.8」
となります。
「-1.2」を越えない最大の整数は「-2」、
(小数部分)=-1.2-(-2)=0.8
と考えています。
ちょっと戸惑うことがあるので、要注意です。
とくに、定め方から「小数部分はつねに0以上」ということも頭に入れておきましょう。
小数部分の大小比較は、
「整数との離れ具合の比較」
をとらえることになります。
授業動画のイメージですが、「解の近似」で攻めていると思いましょう。
具体的な解の値は分からずとも、
解が入っている範囲はどこなのか?
を、解の付近の値を代入しながら調べていきます。
最初は浮かびにくい発想かもしれません。
方程式の解について扱うとき、
具体的な解の値が分からなくても、解の大体の値は調べられる
というイメージをもちましょう。
この感覚があると、授業動画のような方針が浮かぶようになっていきます。
後半のαとγの比較は、実際にできなくても大丈夫です。
ただ、数学を学ぶ姿勢として非常に重要な感覚なので、
堺先生の数学に対する向き合い方を鑑賞しましょう。
Chapter2
問題(2)を扱うチャプターです。
3次方程式の実数解の個数の調べ方に注目です。
2次方程式なら、判別式からすぐに判定できることですが、
3次方程式はそうもいきません。
(判別式自体はありますが……)
そこで、どうするかです。
まず、基本的な知識として
3次方程式は、少なくとも1つは実数解をもつ
ということを知っておきましょう。
これは奇数次数の多項式方程式の特徴で、
2次方程式との大きな違いです。
3次方程式の実数解の個数を調べるときの焦点は、極値を2つもつ場合の処理です。
極値をもたない場合は、自動的に実数解が1つと分かってしまいますからね。
授業動画で非常に重要なテクニックが出てきています。
x=α、βで極値をもつとき、
g(α)g(β)の値で実数解の個数を分類する
というテクニックが巧妙です。
知らないとなかなか思いつかないかもしれません。
このテクニックは、背景も含めて理解する必要があります。
堺先生が丁寧に解説してくれているので、じっくり視聴しましょう。
g(α)g(β)の値で分類する方針がたてば、あとはゴリゴリ計算するだけです。
ですが、計算のなかにも重要な技術がまだ隠れています。
計算途中で出てくる、
余り付き割り算を使った次数下げ
にも注目です。
この問題だから特別に使えた技術ではなく、
極値α、βはg'(x)の解なので、
x=α、βを代入するときはg'(x)で余り付き割り算
するといつも楽になります。
難しい問題ほど、こういった細かい小技の積み重ねが重要になっていきます。
トップレベルを目指す人は、このような計算も当然のように使いこなせるようになりましょう。
……さて、せっかくなので3次の判別式を使った別解も紹介しておきましょう。
記事の最初は「使えない」というスタンスでしたが、案外そうでもありません。
x3+3x2+mx+1=0 ですが、まずは左辺を変形します。
(x+1)3+(m-3)x=0
とできます。
立方完成と言われる変形ですが、平方完成とほぼ同じです。
平方完成の意味がしっかり分かっている人は、なんとなく変形が掴めると思います。
(平方完成は「2乗」で無理やりくくりますが、立方完成は「3乗」で無理やりくくります)
さて、X=x+1とおくと、x=X-1に注意して
X3+(m-3)X-(m-3)=0
となります。
xの実数解の個数とXの実数解の個数は一致します。
グラフをx軸方向に平行移動しているだけですからね。
そのため、この方程式に判別式を使えばOKと分かります。
D=-4c3-27d2
の判別式を使える形なので、
D=-4(m-3)3-27(m-3)2
=(m-3)2(-4m-15)
と計算できます。あとはこの符号を考えて、授業動画の答えと一致します。
あくまで観賞用ですが、
全然違う方針で攻めて、答えが一致するのは面白いですね。