スタディサプリ 高3トップレベル数学Ⅲ 第2講 点を回転する|中学受験エリート

スタディサプリ 高3トップレベル数学Ⅲ 第2講 点を回転する

大学受験エリートのSuuです。

 

この記事では、スタディサプリの映像授業について、

「オススメの視聴法」

「授業のポイント」

などを紹介していきます。

 

今回は、

高3トップレベル数学Ⅲ  第2講

点を回転する

です。

 

複素平面と言えば回転、回転と言えば複素平面かもしれません。

複素平面の1つのメインディッシュです。

 

よく分からない、謎の複素数の計算がちゃんと図形的な意味がある。

逆に、図形的な意味のある操作を、複素数の計算として表現できる。

計算の世界と図形の世界が複素数を介して繋がっていて、ちょっと不思議ですね。

 

この問題に限らず、「回転さえうまく計算で表現できたら……」という場面では、

複素平面に登場してもらいましょう。

(私は行列で計算することが多いですが)

 

Chapter1

複素平面の回転を説明するチャプターです。

最終的なゴールは、トップレベルを目指す人なら知っている式ですが……

説明の仕方が面白いので、回転がバッチリな人も一度は視聴しましょう。

 

z=(1-ω)α+ωβ

の式のイメージ、大変勉強になりました。

ωを実数にすると、ベクトルで習った直線の式ですが……

パラメータが実数を動くなら直線

パラメータが複素数を動くなら平面

という差があります。

実パラメータと複素パラメータの違いが直感的に分かりやすい、

素晴らしい説明だと思います。

 

z=(1-ω)α+ωβ

という式を見て、

『αを中心、βを「1」だと思った座標が入っている』

と浮かぶと、色々な式がスッキリ見えるかもしれません。

 

さて、この式からの変形として

(z-α)/(β-α)=ω

を導いています。

さきほどの座標のイメージからの理解も面白いですし、

定番(?)の

ベクトルβ-αを、複素数wで回転したベクトルがz-α

と理解しておくのも大切です。

 

zが求めたい場面では、

z=ω(β-α)+α

の形で使ってもいいですね。

 

おっと……回転を考えたいなら、

ωは極形式で考えてあげましょう。

 

ざっと回転の基本を復習したら、次のチャプターへ!

 

Chapter2

問題[A]を扱うチャプターです。

正三角形や正方形などが出てきたら、複素平面が活躍しやすいです。

原点からの回転……ではなく、

正三角形の重心からの回転

を考えてあげると、各頂点の位置を綺麗に記述できるからです。

 

さて、このときに1つウッカリしやすい注意があります。

三角形ABCが正三角形と言われたときに、

3頂点A、B、Cがこの順に時計回り

3頂点A、B、Cがこの順に反時計回り

2パターンがあります。

回転の角の方向が変わるので、式の処理がちょっと異なってきます。

結構ひっかかりやすいので、注意しましょう。

 

さてこの問題は……

α+β+γ=3

の条件から、三角形の重心はG(1)となることがすぐに分かりますね。

このとき、

たとえ問題で聞かれていなくても、

α-1,β-1,γ-1の3つに注目する

という意識をもちましょう。

この3つは、

±120°回転

という扱いやすい性質で繋がっているからです。

そのため、元のα、β、γではなく、

α-1,β-1,γ-1

の方からものごとを考えた方が見通しが立てやすいです。

 

さらに……±120°回転なので、

回転を表す複素数ωは、1の3乗根

ということにも注目しましょう。

1の3乗根ならば、色々な計算がスムーズにいきます。

 

堺先生の計算をよく見ると、

1の3乗根の性質を使う

α、β、γではなく、α-1,β-1,γ-1に注目して計算する

の2点を使っていることが分かります。

この問題のポイントはこのあたりでしょう。

 

Chapter3

問題[B]を扱うチャプターです。

個人の趣味の問題ですが、私はこのタイプの問題が好きです。

(得意・不得意ではありません)

図形の普遍的な性質の証明が、わけも分からず計算したら終わっていた

というのがちょっとした快感で、昔から面白かったです。

 

さて。

問題が長くてややこしく、状況がつかみにくいですね。

まずは図をかいて整理しましょう。

 

……アレコレと補助線を引いて処理するのは、パッと浮かびそうにありません。

(浮かぶのなら、その方針でもOKなのですが)

各点の位置関係によっても、状況が微妙に変わり、

場合分けが必要になったりしたら厄介です。

ここは、ズバッと……

複素平面の座標を設定して、意味もわからずゴリゴリ計算する

作戦が浮かぶといいですね。

 

この作戦で大切なのは、

複素平面の座標設定

です。

 

どこを原点にするのか?

実軸・虚軸をどこにとるのか?

によって、計算の大変さが大きく変わります。

なるべく、

登場人物たちの中心的な点を原点

登場人たちの大事な直線が実軸

になるよう設定できると計算がラクになります。

 

堺先生の座標の設定の仕方が自分で浮かぶよう、練習しましょう。

……練習と言えば、ですが。

理屈上、別の座標の設定をしたって、証明はできるハズなのですよね。

座標の設定の仕方を色々と変えて、それぞれで証明しようとしてみる。

そして、それらの計算の大変さを比べて、

どの座標設定が一番優秀なのか調べる。

こういうのも有益な練習です。

トップレベルを目指す人は、ぜひこういった練習も積んでみましょう。

 

さて、座標を設定したらゴリゴリ計算していきます。

必要な点の複素数を、適当な文字でおきましょう。

複素平面は回転との相性が良好で、

回転に関する条件もバシバシ記述できます。

 

おっと……実軸対称な点の処理も大切なポイントです。

実軸対称な2点は、複素共役の関係になっています。

 

複素共役は、複素数の計算、複素平面に両面で非常に役立つ操作です。

大げさに言うと、

複素共役の取り扱いの技術が、複素数・複素平面を扱う実力

と言ってもいいかもしれません。

 

(複素数+共役複素数)/2 は元の複素数の実部

(複素数ー共役複素数)/2i は元の複素数の虚部

の式もよく使いますし、

複素共役をとって一致する⇔実数

複素共役をとると符号が変わる⇔純虚数

という風に、実数や純虚数の判定にも使います。

複素共役との積は、絶対値になりますし……

1つ1つは難しくありませんし、簡単に確かめられるのですが、

その威力はかなり大きいです。

 

この問題でもそうですね。

「直線上にある」ことの判定を、回転させることで

「実軸上にある」ことの判定に落としています。

回転との相性がいい複素平面だから、こういう言い換えがサラッとできます。

 

そして、実軸上にあるかの判定なら、複素共役の出番ですね。

共役をとっても変わらないことが確認できればOKです。

 

すると、何やら不思議なことに……

βの式は「自分で勝手に設定した文字」だらけで、

βが具体的に分かっているとは言いにくい状態です。

ただ、なぜか

「共役をとると元に戻る」

ことだけは分かります。

 

なんか騙されたような証明で、こういう議論はいつ見ても面白いです。

自分でできたら超カッコイイですね。

色々な問題で練習して、このカッコイイ技を決められるようになりましょう。

 

 

 

 

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