このシリーズでは、英文法の各テーマにおける「差がつくポイント」を紹介します。
第32回英文法テーマは「問題演習編④(書き換え問題)」です。
前回に引き続き、よく出る文法事項を4問、書き換え問題で作成してみました。
ちなみに、文法テーマはありません(いろいろな単元から出題しています)。
1問あたり2分程度、肩の力を抜いてまずは気軽にチャレンジしてみてください!
(by Izu)
<書き換え問題 厳選4問 問題編>
次の各組の文がほぼ同じ内容になるように、( )に適する語を入れなさい。
① It seems that she knew everything about it .
≒ She seems to ( ) ( ) everything about it .
② There is little hope that she will pass the entrance examination .
≒ There is little hope ( ) ( ) passing the entrance examination .
③ You can get to the museum if you use that bus .
≒ That bus will ( ) you ( ) the museum .
④ Come home early , or you can’t watch the game on TV .
≒ ( ) you ( ) come home early , you can't watch the game on TV .
<書き換え問題 厳選4問 解答編>
空欄の箇所を赤にしています。
① It seems that she knew everything about it .
≒ She seems to have known everything about it .
上の文は、形式主語 it を用いた表現ですね。
【It seems that S' V ~ : ~ように思われる】という意味になります。
この書き換え先として、that節内の主語を文の主語に持ってくるパターンがありますね。
【S seems to 原形V ~ :Sは~するように思われる】という表現です。
ですがこの問題、to know としてしまうと、空欄が1つ余ってしまいます。
もう1つ大事な点を確認しましょう。
今回、元の文はseems(現在形)に対してthat節内はknew(過去形)でした。
to不定詞でこの「時間差(to不定詞の内容が本動詞よりも前)」を表す必要があります。
ということで、to不定詞の完了形の出番ですね!
to+have+過去分詞、とすることによって、本動詞よりも「前(から)」を表します。
本動詞seemsは現在形、to have known はそれよりも前=過去の話、となります。
② There is little hope that she will pass the entrance examination .
≒ There is little hope of her passing the entrance examination .
上の文では、同格の接続詞thatが使われていますね。
直前の名詞の内容を説明する役割で、「~という名詞」と訳すthatです。
the news that ~ や、the fact that ~ という文で使われるthatと同じ役割です。
この同格関係は、前置詞ofを使っても表すことができますね!
ということで、that以下の文を、「名詞化」してofの後ろに置けば正解になりそうです。
彼女がその入学試験に合格すること、という名詞句を作ります。
passing:動名詞が使われています。
この動名詞の動作主(=意味上の主語)は「彼女」ですね。
彼女はまだこの文では出てきていませんので、示す必要があります。
そうすると、同格of+意味上の主語her+動名詞passing、となる訳ですね!
③ You can get to the museum if you use that bus .
≒ That bus will take you to the museum .
上の文は、「もしあのバスを利用すれば、美術館に着けるよ。」という意味ですね。
何てことはない、いたって簡単な一文です。
そして書き換え先ですが、【主語:the bus】となっていることに注目します!
直訳すると「そのバスはあなたを美術館へ・・・」となりますね。
はい、美術館へ何してくれますか?
連れて行ってくれる、と考えた方は、正解を出せているでしょう。
take+O+to+場所と使うと、Oを~に連れていく、という意味になります。
「そのバスはあなたを美術館へと連れていく。」
意訳すると、「そのバスに乗れば、あなたは美術館に着けるよ。」となりますね。
主語が無生物(この文ではバス)に対して、動詞が「連れていく」となっています。
直訳するとどうしても不自然になりますので、意訳するべき一文になるんですね。
これが「無生物主語構文」の考え方です。
※bringを使うと「連れてくる」となり、この場面には適しません。
※主語が「道」であれば、lead+O+to+場所、を使うのがピッタリきます。
④ Come home early , or you can’t watch the game on TV .
≒ If you don't come home early , you can't watch the game on TV .
この問題がおそらく4問の中では最も簡単です。
いろいろ難しく考えすぎて、深みにはまっていないかを試してみました。
上の文は、命令文+or(接続詞)SV… となっています。
「~しなさい。さもないと…」という意味でしたね。
命令文+and(接続詞)SV… であれば「~しなさい。そうすれば…」と訳しました。
「早く帰ってきなさい。さもないと、その試合をテレビで見られないよ。」
このような日本語訳になりますね。
下の文は、最初の空欄の直後にyouがありますので、接続詞を使って書けそうです。
「早く帰らなければ、その試合をテレビで見られないよ。」と考えられますね。
ですので、接続詞ifを用い、if節の中を否定文にすればいいだけですね。
もちろん、条件を表す副詞節内ですので、現在形don'tを用いましょう(未来代用)。
第32回「問題演習編④(書き換え問題)」は、以上4問でした。
自力で解けなかった方も、正解を見て「あ~そうだった!」となるのではないでしょうか。
何てことのない問題のように見えるのに正解が出てこない、書き換え問題のあるあるです。
書き換え問題でのアウトプットもまた、これまでの英文法の理解・知識を「応用力」につなげるよい訓練となります。
さまざまな問題パターンで訓練し、英文法問題を得点源にできるよう頑張ってください!