中学入試の国語を攻略する上で、重要になるのが「長文読解」です。
しかし、長文読解は苦手とするお子さんが多く、さらにどのように教えたら良いか分からないと悩む親御さんも多いです。
今回は、長文読解の「コツ」を文章のジャンルごとに解説します!
物語文の長文読解のコツは、「心情」をとらえる
物語文の長文読解のカギは、登場人物の「心情」についてとらえることです。
また、「心情」と「できごと」には必ずつながりがあります。
何のできごともないのに、「うれしい」気持ちになる人は基本的には存在しません。
クラスに友達がひとりもいなったけれど、今日はじめて友達が出来たのだ。(できごと)
のぞみは、嬉しくてたまらなかったのだ。(心情)
長文読解を進める上で、「心情」と「できごと」はセットでとらえるようにしましょう。
大事なところには線を引けると良いですね。
できごとのおさえ方のポイントは4つ
「いつ(時間)」
「どこで(場所)」
「だれが(登場人物)」
「どうした(事件)」
をおさえながら読むように意識してみましょう。
①いつ(時間)
季節や、年代、過去か未来か、時間帯(朝、昼、夜)などをおさえる。
②どこで(場所)
学校、家などの場所をおさえる。
③だれが(登場人物)
主人公とその他の登場人物との関係をおさえる。
④どうした(事件)
起こったできごとは何か? このできごとがあって、登場人物がどのような心情になったか?
この4つを常に意識しながら文章を読むようにしましょう。
心情の手がかりとなるポイントは8つ
②行動
③態度
④表情
⑤口調
⑥性格
⑦情景
⑧文末表現
後半の⑦情景、⑧の文末表現は、少し聞き慣れないかもしれませんので詳しく解説します。
⑦情景
物語文では、周囲の情景と心情のつながりを表現するケースがあります。
→登場人物のもやもやしていた気持ちが、すっきりと晴れ晴れした様子に変化した。
なぜ、この「情景」を表現したかを考えてみると良いですね。
⑧文末表現
文末表現とは、作者が意味を込めて文末を表現したものです。
例えば、
僕は約束をすっかり忘れてしまった。
「忘れていた」ではなく「忘れてしまった」という表現にしているところに意図を感じる必要があります。
文章の流れから「後悔」や「焦り」の気持ちを読み取りましょう。
説明文の長文読解のコツは、「接続語」をとらえる
説明文の長文読解では、論旨の展開を読み取ることが最も重要です。
これを読み取るためには、「接続語」を読み取りの手がかりにしていきましょう。
①たとえば
→具体例を示して、結論をわかりやすくする働き
②ところで、では、さて
→話題をかえる働き
③つまり、すなわち、要するに
→重要な内容をまとめる働き
④だから、それで、そこで、したがって
→結果を示す働き
⑤なぜなら
→理由を示す働き
⑥さらに、それに
→内容を付け加える働き
⑦あるいは、ならびに、また
→内容を並べる働き
これらの接続語をとらえて、論旨の展開をしっかりと読み取りましょう。
随筆文の長文読解のコツは、「体験」と「感想」を読み分ける
随筆文とは、筆者が見たり聞いたりしたこと、すなわち筆者の体験を中心に、そこから感じたことや自分の感想を形式にとらわれずに自由に書いた文のことです。
・何を感じたのか
をとらえることが重要です。
随筆文を攻略するためには、多くの人の考えを知ることが大切です。
たくさんの随筆文にふれることをオススメします。
文末表現が手がかりとなる
文末表現に注目すると「体験」「感想」部分を探しやすくなります。
「体験」を読み取る文末表現
人から聞いたことであれば、「〜そうだ」「〜とのことだ」、 自分で体験したことであれば、「〜であった」「〜だった」のような文末表現になります。
「感想」を読み取る文末表現
「〜すべきだ」「〜である」「〜と思う」「〜と感じた」「〜にちがいない」などの意見を表す文末であったり、「素晴らしい」などの感動を表す場合もあります。
随筆文では、文末表現に着目し、意見と感想を読み分けることを意識して文章を読むようにしましょう。設問が解きやすくなります。
さいごにー文章を読む前に目標を書き出してみよう
文章を読む前に「どのようなことに意識して読むか」目標をノートに書いてみましょう。
これを日頃から実践するだけで、大きく変わります。
何となく文章を読んで、何となく問題を解いてしまう子が多いです。
この「何となく」から脱出するためにも、目標を書き出してみましょう。
「大事なところに線を引く」「接続語に気をつけて読む」など、文字に書き出すと少しずつ意識できるようになりますよ。
まとめ
今回は、国語の長文読解のコツについてお話ししました。
長文読解のスキルは、すぐに身につくものではありません。
正しい勉強法を時間をかけてコツコツ積み上げる必要があります。
読解のコツを掴めば、基本問題は解けるようになります。
「長文は苦手だから・・」と逃げず、今日からしっかり取り組んでいきましょう。