脱ゆとり教育へと舵をきられ、再び教育の量について注目されています。
その中でも質の高い教育が受けられるとあって、中学受験に関心のある家庭が増えてきています。
ここでは中学受験をするデータから注意すること、受験の考え方について説明します。
そもそも中学校生徒数(1年生から3年生まで)は増えているの?
文部科学省が毎年出している「学校基本調査」というものがあります。
少子化が問題となっている日本ですが、日本全体で2021年度の中学校生徒数は約323万人と公表されています。
これは2020年度より約1.8万人増加しています。
ただし、2020年度の中学校生徒数は過去最少と言われており、2021年度が決して多いとは言えません。
ここからは中学受験者の割合や実際に合格して通っている割合などについて説明していきます。
全国で私立中学校に通っている生徒はどれくらい?
上記で説明した資料によると、2021年度の全国の中学校生徒数は約323万人、うち私立中学校に通っているのが24万5245人です。
これは全体の約7.6%にあたります。
2021年度はこの10年間で最も私立中学校に通う生徒の割合が多い年度でした。
それだけ中学受験・私立中学に関心が増えてきているのでしょう。
東京都内だと私立中学校に通っている生徒はどれくらい?
中学生の人数が多い東京のデータと比べてみましょう。
ただし、まだ2021年度のデータが公表されていないため、2020年度のデータで説明します。
東京都教育委員会が発表したデータによると、2020年度の都内小学校を卒業した生徒は97,695人でした。
そのうち都内の公立中学校に進学したのは、77,438人と報告されています。
これは全体の79.3%にあたります。私立中学校へ進学した生徒は18,281人で、全体の18.7%となります。
東京都外に進学した生徒は1,451人で全体の1.5%です。
先ほどの全国版での私立中学校に通う率の2020年度で見てみると7.5%です。
都内の私立中学校に通う率が18.7%ですから、全国の2.5倍も多いことになります。
それだけ保護者の関心が高いということでもあります。
中学受験する生徒は、どれくらいいるの?
首都圏での私立・中学受験者数は8年連続で増加していると報告されています。
2022年の首都圏における私立中学・国立中学の受験者数は、5万1100人でした(首都圏模試センター調べ)。
受験者数が非常に増えており、受験率は17.3%と非常に高い数値でした。
公立中高一貫校も人気
また私立だけではなく、公立中高一貫校も年々人気が高まってきています。
公立中高一貫校は学費は地元の公立中学校と同じながら、質と量においては私立中堅校以上の教育が受けられるとあり受験者数が増えてきています。
東京都内の公立中高一貫校は10校あり、2021年度の募集定員枠は1,464人であり、7,461人が受験しました。
2022年度は全集定員枠は員1,544人に対して、6,789人が受験しました。
2022年の方が受験者数が減っていますが、公立中高一貫校はまだまだ人気だと言えます。
また私立の前哨戦として挑む生徒もいるため、合格ラインの高く難易度も高いと言われています。
受験校数はどれくらい受けているの?
中学受験に取り組むうえで気になるのが、1人あたり何校受けるのかという出願校数です。
大手塾のアンケートによると、男女ともおおよそ5.6校程度と言う結果が発表されていました。
確かに1校だけを受験する生徒もいますが、一方複数校を受ける生徒もいます。
近年は大学入試改革の制度変更に対応できるようにと、中高一貫校でしっかりと大学受験対策をしたいと考える保護者も増えています。
また、コロナの影響もあり確実に合格を狙う安全志向にも変わりつつあるようです。
こうした大学入試改革・コロナという外部要因にも影響されて、確実に合格を狙うマインドが強まっています。
そのため、複数出願校数が減ることはないようです。
志望校は行きたい学校であること
少子化が問題視されるようになってきている中、2008年と比べて、2021年では中学校生徒数は30万人近く減少しています。
それにも関わらず、私立中学に通う子どもの割合は増えてきています。
受験人気も加熱し、複数の学願しているしていることから受験者数も増加しています。
親はこうした事実を客観的に捉えることが大切です。
中学受験で忘れてはいけない最も重要なことは、「その学校は本当に子どもが行きたいかどうか」ということです。
合格できそうな学校ではなく、行きたい学校という視点を持つことは長い受験勉強においても、モチベーション維持に繋がります。
学校の教育方針や、強みはどういうところか、大学の進学率や実績、中高の部活はどういうものがあるか、などをリサーチすることが最も大切です。
その上で、こうした全体の数値を捉えて、志望校の偏差値や倍率、想定合格ラインなどを調べることをおすすめします。
行きたい学校という目標を持ち、その目標に向かってコツコツと努力すること、これがこれから先の人生においても変わらない大切なことです。
合格に向かって頑張っていきましょう。