中学受験では学校によっては面接試験を導入している場合があります。
得点の配分や重要性は学校毎に異なりますが、面接試験対策をしているかしていないかでは結果が大きく変わります。
ここでは面接でよく聞かれる質問とその受け答え例について紹介します。
中学受験で面接試験を行う目的は?
中学受験で面接試験を導入している場合は、筆記試験のあとに行われるのが一般的です。
なぜなら、試験の感想を面接で聞かれることがあるからです。
面接試験の目的は、受験者がその学校の校風や教育方針に合うかどうかを確認するためのものです。
面接の問いに対して、決まった答えがあるわけではないですが、
「ハキハキと明るく」
「相手の目を見て」
「相手に聞こえる声」で受け答えをするということは大切です。
面接は個別・グループ、どちらでも基本的に気を付ける事は同じ
面接の形式は面接官2名程度と生徒1人の個別タイプと、生徒5~6名程度のグループタイプがあります。
個別とグループ面接で質問される内容は大きく変わりませんが、グループ面接の場合は「他の受験生の話を聴く態度」も見られています。
また、他の受験生が話した内容に対してどう思うか、という質問もされる場合があります。
そういった点ではグループ面接で、自分に質問されていないからといって気を抜くことはできません。
個別・グループともに一定の緊張感をもって挑まなくてはいけません。
面接以外のところも見られている
面接会場での受け答えだけが、面接試験と思わない方がよいでしょう。
面接は待合室での態度も見られている場合があります。
特に待合会場に知り合いがいても、おしゃべりはしないようにしましょう。
筆記試験が終わった解放感からか、他の受験生をよそに感想を述べあったりすることがあるようです。
そもそも、待合会場では私語厳禁であることが多く、またマナーという観点からも私語は慎みましょう。
学校の門を出るまで、決して気を緩めてはいけません。
面接でよく聞かれる6つの質問
ここからは、面接試験で聞かれる代表的な質問とその受け答えの方向性について説明していきます。
ある程度事前に準備して挑む必要がありますが、大切なことは自分の言葉で整理するということです。
親が書いた原稿を覚えて、面接の場で話すと面接官に見抜かれることがあります。
面接官はその学校の先生であることが多いですが、私立の場合毎年たくさんの受験生を面接しているので高い面接スキルがあります。
事前に問題を想定し、子どもが自分で考えた言葉で受け答えする。
親はその受け答えの方向性が良いかを一緒に考えるサポート役に回ると良いでしょう。
1)受験番号と名前、今通っている小学校を教えてください
いわゆるアイスブレイクという形で、緊張をほぐすための質問です。
ここで大切なことは、ハキハキと面接官の目を見て受け答えできるかということだけです。
言葉に詰まっても大丈夫です。あくまでも、リラックスさせるための質問です。
2)筆記試験のできはどうでしたか?
筆記試験は難しかったですか?できましたか?
といった質問がされることがあります。事前対策できるようなものではないので、こちらも緊張しすぎずにどう思ったのか簡潔に答えるとよいでしょう。
「算数の●●な問題が難しかったですが、自分なりに解けたと思います」
などと具体的に受け答えできると、そこから面接の質疑応答が発展することもあります。
そのため、場当たり的なことや見栄を張ったようなことは言わず、その後に発展しても会話できるを受け答えをしましょう。
3)どういうルート・経路で学校まで来ましたか?
この質問の意図は、学校までの通学ルートを把握しているかを確認するためのものです。
順序良く簡潔に説明できるか、交通機関や地理を把握しているかといったことをチェックされています。
この内容は事前に準備ができるので、きちんと調べておきましょう。
また、当日は保護者に送迎してもらったり、前泊で学校近くのホテルから来ることもあると思います。
その場合は、
「今日は学校まで車で送ってもらいましたが」
「今日は近くのホテルに泊まりそこから歩いてきましたが」
と前提を付けて、「通学する場合は家の最寄り駅の●●駅から△△駅まで行き、そこから徒歩で登校します」
というように答えましょう。
4)あなたの長所や短所について教えてください
昔からあるオーソドックスな質問のため、あまり面接試験で聞かれなくなってきていますが、自己分析のためにも長所・短所は整理しておくことが大切です。
この質問の意図は、自己分析ができているか、長所はなぜ長所と捉えているのか?
短所はどのようにして克服しようとしているのか?
ということを確認するためのものです。
親子でしっかりと対策しておきましょう。
5)志望理由を教えてください
志望理由は最も聞かれる質問です。
「なぜこの学校を選んだのか」という問いは、
「当校に入ったらどんなことがしたいのか」
「当校は他の学校と比べてどうだったのか」
「当校でどういうことを学びたいのか」
といった具体的な考えを聞かれていると思ってください。
「偏差値で選んだから」
「大学進学に有利だから」
「通学が無理なくできるから」
といったことは志望理由としてはふさわしくありません。
なぜなら、
面接官は教育方針に合う生徒か、
学校の校風に合う生徒か、
当校の学生としていい影響を与えられる生徒か、
ということを確認しているからです。
志望校が取り組んでいる教育方針や課外授業・活動、卒業生のコメントなど学校案内や学校説明会で感じたことをまとめて自分らしい志望理由を準備しましょう。
決して飾り立てた言葉で志望理由を作る必要はありません。
「なぜその学校に通いたいのか」というシンプルな問いに向き合って、出てきた想いをまとめてください。
6)時事問題や気になるニュース、最近読んだ本は?
時事問題、特にニュース系についての質問がされる場合があります。
社会への関心や自分なりの意見をどう持っているのかということを確認されています。
知らな社会事情に関する質問がされる場合もあります。
取り繕って知ったかぶりして、答えるのはおすすめしません。
その場合は、
「勉強不足でそのニュースについて知りません。今日家に帰ったら調べたいと思います」
などとポジティブに受け答えするとよいでしょう。
受験勉強の息抜きに、普段からテレビや新聞でニュースに目を向けることが大切です。
一人で理解するのは難しいものも多いので、夕食の時などに家族で気になるニュースについて会話しておくとよいでしょう。
また、最近読んだ本についても問われることがあります。
受験勉強だけではなく、幅広く知識を獲得しようとしているのかという「探求心・好奇心」を確認されています。
読書は勉強の基本の部分でもあります。
隙間時間を見つけて読書する習慣を身につけておきましょう。
面接対策は普段の生活の中で培えるものです
面接によく出る質問を想定して準備しておくことはとても大切です。
ただし、親が書いた文面を暗記するのは避けた方がいいです。
親子で回答を一緒に考えて、あくまでも子どもの言葉で答えられるようにしましょう。
週末の夕食の時間に家族で時事問題や志望理由などについて、会話しながら考えをまとめていくのが効率的です。
また面接対策は塾でも対応してくれるところが多いですが、普段から親子で取り組むのがおすすめです。
スマホなどで動画撮影しながら、客観的に見て態度や姿勢、目線、声の大きさなどもチェックしましょう。
面接対策は付け焼刃で準備するのではなく、じっくりと時間をかけて仕上げていくものです。複数の志望校で面接がある場合などは、志望理由なども整理しておく必要があります。
しっかりと対策をして、筆記・面接ともにベストな結果がでるように頑張りましょう。