願書とは受験のための申込書のようなものです。
多くの願書は「志望理由」の記入が必須です。
「願書自体が試験の得点に影響を与えるものではない」とも言われていますが、提出するならベストな形で出したいものです。
ここからは願書の書き方や注意点について説明します。
中学受験の願書は早めに入手しましょう
夏休みが終わり、9月に入るころから6年生は親子ともに忙しくなってきます。
特に10月頃からは入試説明会が順次開催されていき、入試の要綱について説明が行われます。
入試説明会で願書が配布されることが多いですが、入試説明会に参加できなくても志望校の窓口や希望すれば郵送などでも願書を入手できます。
ここで注意しなければならないのは、複数校を受験する場合です。
受験校の最終的な絞り込みは10月ごろの模試の結果を見てからにしたいと考えている家庭も多いと思います。そのため、願書の入手が遅れがちになります。
ここは割り切って受験するかどうかは別として、候補の学校の願書は早めに入手してください。
願書は一般的には封筒に入っており、そこには必要な書類が同梱されています。
公立中高一貫校の受験では受験料(入学考査の手数料)を収入証紙で用意して、願書に貼っての提出という場合もあります。
学校ごとに提出の形式なども異なるので、受験要綱にしっかりと目を通して準備する必要があります。
願書の書き方
願書を書く際の文末語尾は「です・ます」調で丁寧な印象で統一しましょう。
願書はいきなりボールペンやペンで書くのではなく、鉛筆やシャープペンシルで下書きしてから清書しましょう。
間違った場合は二重線のみや、さらに訂正印押印など願書によってルールが異なります。
願書に見本が同梱されていることが多いので、まずはそれをしっかりと読みます。
日付を記入する場所についても、おおむね志願する日とされていますがこのあたりも見本を見てから書くようにしましょう。
また近年、学校によってはネット出願に対応している場合もあります。
清書は不要ですが、タイピングミスとならないように送信前に入力内容のチェックは入念に行うようにしてください。
志望理由は別の紙にまとめてから
志望理由の記入を必須とする学校は多いと思います。
志望理由はその学校の校風に合うか、教育方針に合うかといったところを判断するための材料です。
つまり、学校までの距離が近いであるとか、校風が好きだからということではなく、その学校にとって必要な人材と思ってもらえるかということがポイントです。
また、面接がある学校は願書に書いた志望理由を手元資料にされます。
内容に不一致が起こらないように、志望理由は暗唱できるくらいに覚えておく必要があります。
まずは、事前に親子で志望理由をしっかりと煮詰めてください。
まとまったら別の紙にきちんと原稿を書いてから、願書に下書き状態しそのあとペンで清書するのがおすすめです。
その他備考欄などは?
その他、備考欄がある場合、アピールするならば長所や短所について書いてもいいでしょう。
またもともと、長所や短所についての項目がある願書もあります。
長所はシンプルで明確に、短所はできるだけポジティブに書いてください。
短所の例としては、
単に「引っ込み思案で意見を積極的に発言できない」と書かずに
「他人の意見を聴いて尊重したうえで自分の意見を発言するため、控え目に見える場合があります」などです。
また家族の中に志望校の卒業生がいる、
いま現役で通っている在校生がいる、
などであれば備考欄に記入しておきましょう。
場合によっては、ボーダーライン上での判断で考慮されるかもしれません。
写真は昔のものを使わない
昔に撮影した写真が余っていて、今と見た目があまり変わらないからといって、願書に使うのはやめましょう。
基本的に受験日から逆算して3ヶ月前程度が望ましいので提出の直近に撮影するのがおすすめです。
その際、上半身しか写りませんが、白いシャツやブラウスで首元のボタンも留めるなどして清潔感を意識してください。
写真そのものが受験の合否に直接影響することはありませんが、願書は学校と受験生をつなぐものです。
できるだけ丁寧にすることが大切です。
ネット出願の場合は撮影した写真をデータ化する必要があるため、街の証明写真ボックスを使う場合は確認してから撮影します。
内申書を学校に依頼しておく
願書提出時には小学校の内申書を同梱する必要があります。
そのため、事前に内申書を小学校の担任の先生に伝えておきましょう。
内申書の作成には時間がかかるためギリギリで依頼すると先生も困ります。
また複数受験する場合は、バラバラと追加で依頼すると不足したり先生にも迷惑をかけてしまいます。
予め志望校数を洗い出してから先生に依頼しましょう。
いつまでに必要かを先生に伝えて、書面も渡して依頼してください。
コピーを用意しておく
願書提出の準備ができたら、コピーを1部とっておきましょう。
志望理由の書き方の説明でもしたように、面接のある場合は願書を参考にされます。
面接時までに志望理由をもう一度見直して、頭に入れておくことが大切です。
願書は志望校へのラブレターのようなもの
下書きをしてから清書する、
写真は清潔感を意識する、
内申書は早めに用意する、
願書を書く時のポイントというのはよくよく考えると当たり前のことばかりだと思います。
受験生にとっても学校にとっても、願書はラブレターのようなものです。
入学したいという想いが伝わるようにと心を込めて丁寧に準備するのは当然のことです。
願書は出し忘れると受験できないというシビアなものでもあります。
期限や様式を厳守して、安心して本番の試験を迎えるようにしてください。