【問題集・参考書の活用法 英語 第9回 : 「深めて解ける! 英文法OUTPUT」】
このカテゴリーでは、Izu(いず)が様々な参考書・問題集の使い方の例を解説します。
第9回は、Gakkenさんから出ている英文法の問題集「深めて解ける!英文法OUTPUT」です。
毎度の定型文ですが、解説のスタンスは、この参考書・問題集を使うなら、ということです。
良い・悪いは個人の好みや学習状況で変わってきますので、それには触れません。
既にお持ちの方、これから参考書・問題集を買おうとしている方のお役に立てれば幸いです。
では、本題へ!
<英文法理解の上に強固な「応用力」を立てる、ヘビーだが間違いのない1冊>
前回(第8回)で、姉妹本である「英文法INPUT」をご紹介しましたね。
その後半部分で、今回紹介する問題集を以下のように軽く説明しました。
>「英文法INPUT」で理解を深めた後、一気に入試レベルでの演習に移るのであれば、出てくる順番が一致する「英文法OUTPUT」での学習が最適です。
>理解の上に、必要なポイントを乗せるだけ上乗せしていくイメージの学習になりますね。
>この問題集は非常に「やりがいがある」ため、また別の機会にご紹介しようと思いますが、INPUTに比べ難度がグッと高まる印象です。
上にある通り、今回の第9回でご紹介するこの問題集を「やりがいがある」と表現しました。
もちろん、他の英文法問題集も、1冊をやり切るのはなかなか時間のかかる学習であり、やりがいはあります。
ただ、この「英文法OUTPUT」は、そのやりがいが「レべチ」ではないかと思うんですよ私は(倒置法)。
まず、問題数がなんと1316題!
え~別に英文法のよくある問題集ならそれくらいの問題集なんじゃないですか?と思った方もいるでしょう。
この1316題ですが、「会話表現」や「ボキャブラリー」といった類のものを含みません!
英文法INPUTの構成とほぼ同じで、【Part1:動詞の語法と文型~Part17:強調・省略・一致・疑問文】という、重要英文法テーマのみで問題が構成されているのです。
ですからこれ、相当な問題数ですよ!
著者は「はじめに」の中で、以下のように述べられていますので、一部ご紹介しますね。
>本書は「お手軽さ」や「ラクラク」といった趣旨とは無縁です。
>「なぜ」を大切にしながら、英文法の原理をしっかり理解し、それを応用できるようにする。
>文法問題としての出題頻度は低くても、英語を読んだり書いたりしていく上で重要だと思われる情報は、すべてのページにぎっしり詰め込みました。
確かに、どうしても時間に制約のある現役高校生は、効率というものを重視しがちです。
「あんま出ない問題なんてやってもしょうがない。」なんて思ってしまいがちですよね。
ですが、たとえ文法問題として出題される頻度は低かろうとも、長文読解では使われるような事項も多々あります。
英文法の演習を、英文法の範囲で終わらせない、その後に続く長文読解や英作文につなげるためには英文法の全体像の把握は必要だと、私も思いますね。
この問題集「英文法OUTPUT」は、こうした出題頻度が低めの問題も「全体像把握」のためにちゃんと載せています。
ですので、問題数としては英文法重要テーマだけで1316題にもなっているのです。
「英文法演習をただそれだけで終わらせたくない。多くを吸収したい!」と思う方、やり切る時間があれば、ぜひこの「英文法OUTPUT」を使ってみてください。
まとめっぽく書きましたが、まだまだ続きます笑。
私が思うこの問題集の良い点を、深めてあと2点、順番にご紹介していきますね。
唐突ですが、この問題集の中にある以下の1問を解いてみてください(適切な選択肢を選ぶ問題です)。
I hoped ( ) her job .
① that she continues ② her to continue
③ her continuing ④ that she would continue
さて、この問題集、右ページが解説になっております。
自分は②を選んだけれど、答えは何だろう・・・
答:④ <hopeの語法>
シンプルな解説の問題集であれば、【 hope + that S V : ~を望む 】というポイントが記述されており、「フムフム覚えとくか。」となります。
しかしこの問題集は、この1問に対して、
・ 過去形hopedとなっているからwould+continueがいいよね!
・ wantとは違い、hope+人+toVの形はとれませんよ!
・ I hope の代わりに I'm afraid とすると、不安や心配の気持ちが表現できますよ!
・ 【深める!】動詞hopeの重要な語法
など、周辺事項・関連事項を含めたかなりのボリュームの解説がついているんです(ここでは解説のエッセンスのみ例示しています)。
ここまで解説で深めて理解できれば、②が正解ではないことも当然分かりますよね。
その1問を解くためだけでなく、他にも応用してほしい内容まで踏み込んで詳しく解説しているため、身につけようとするとそれなりの時間を必要とします。
じっくり取り組める時間があるのならば、単問を解くだけの知識確認だけで終わらせないために、ここまで英文法を深める学習をしたいなぁ、そう思いませんか。
1問を例に出しましたが、この問題に限らず、全問に対してかな~り詳しい解説がついています。
左の問題ページが2問だけ、その解説に右ページ全てを割く、なんてところもあります。
みなさんが英文法を理解した後にこの問題集を使ったとして、当然解く段階ではたくさん間違えますよね。
その間違いを「理解」の部分から解説で確認し、関連事項まで頭に入れることができ、自身の英語力の強化へとつながる・・・・
時間はかかりますが、やり切ることができれば、その時間以上の「価値」があるのではないでしょうか。
ということで、この問題集のよい点は、「解説がすごい!」でした(急に語彙力低下…笑)。
そして忘れてはならないもう1点のよいところ、それは、「別冊(後ろについています)」の「英文法OUTPUT ランダム問題編」です。
「何それ?」と思いますよね。
この問題集は、全部で1316問で構成されており、Part1~Part17のテーマ別構成であると説明しました。
ランダム問題集は、この1316問を100問×13回分(第13回のみ116問)にシャッフルした別冊なのです!
これ、問題は全く同じです。
同じですが、文法テーマがシャッフルされているので、「この問題は関係詞の引き出しを使う」のようなヒントが全くなくなります。
入試問題と同じですね。
入試問題は、「それでは、不定詞の問題です。」なんて使う引き出しを限定してくれません。
理解した文法内容を、入試実践形式で、同じ問題で訓練できる、というのは最高の総復習になるのではないでしょうか。
1冊をじっくり理解しながら進み、総復習で別冊を使い、間違ったら同じ問題の解説に戻る、こんな学習ができれば、すごく力がつきそうです!
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
数ある英文法問題集の中でも分量の多い「英文法OUTPUT」、英文法の演習を通して英語力そのものの強化までを狙いたい方おススメです。
入試までの残り時間と相談し、充分にやり切れる時間があるのであれば、ぜひおススメしたい1冊ですね!
もちろん、始める前提として「英文法の理解」が完了していることは言わずもがな、ですからね。
何回もお伝えしていますが、この「英文法OUTPUT」は問題数がかなり多いため、ペースメーキングが大事です。
大学受験エリートは、「学習マネジメントと目標管理」に力を入れています。
目標から逆算した具体的な学習計画をいっしょに立て、その進み具合を確認しながら、二人三脚で目標達成へと歩んでまいります。
自分だけでは勉強が進まない・・・そんなご不安を抱えている方はぜひ一度、学習相談にいらしてください。
「これなら私でも合格できるかも!」と思える学習プランをご提示いたします。
ではまた次回をお楽しみに! See you!