近年の中学入試では、たしかに時事問題が重視される傾向にあります。
しかし、算数などの科目と違って、時事問題では具体的な出題範囲や難易度などが全く決まっていません。
最初に挙げたような悩みも、中学受験の受験生なら抱えて当然の悩みなのです。
しかし、安心してください。
この記事では、
「2022年に実際に出題された時事問題の紹介と分析」
「時事問題の対策方法」
これらについて徹底的に解説していくことで、みなさんの悩みを解決します。
ぜひ、最後までご覧ください。
【2022年最新】実際に出題された時事問題を見て傾向をつかもう!
ここでは、2022年に実際に中学入試で出題された時事問題を紹介していきます。
今回紹介する学校は、 開成 桜蔭 開智 大宮開成 城西川越 以上の5校です。
それでは、詳しく解説していきます。
開成
まず、開成で出題された時事問題を紹介します。 以下の画像をご覧ください。
形式としては、資料を読解してから自分の言葉で回答を書くという記述問題です。
とはいえ、文章を書くのではなく、解答欄の大きさから考えても15〜20字程度の記述です。
問題を見てみましょう。
早速、超重要単語が出てきています。
「SDGs」です。
SDGsとは、持続可能な社会の実現を目指す目標のことで、近年注目度が高まっています。
17の分野に分かれて目標が設定されており、時事問題での切り口もさまざまです。
一見対策が難しいように見えますが、出題内容はあくまでも中学入試の範囲内です。
日頃からSDGsのニュースに敏感になり、
「なぜ取り組みが必要なのか 」
「どのような取り組みをしているのか」
「取り組みの最終目標は何か 」
などを考えるクセをつけておくと、以上のような問題にも簡単に対応できるようになるでしょう。
桜蔭
続いては、桜蔭で出題された時事問題を紹介します。
以下の2枚の画像をご覧ください。
形式としては、写真のような文章を読みながら設定された問いに答えていくという形式です。
語句を答える問題や選択問題がほとんどです。
全てが時事問題という訳ではなく、地理や歴史の問題も混じっています。
時事問題でどんなことが問われているかというと、
「脱炭素社会(カーボンニュートラル)という語句を答えさせる問題 」
「猛暑日という語句を答えさせる問題 」
「復興庁についての問題 」
「気温の平均値は過去何年分のものか答えさせる問題」
これらが穴抜きになっており、周りの文や自分の知識から推測して答える必要がある問題でした。
開成では、時事問題についての最低限の知識があり、資料を分析できれば答えられる問題が出題されましたね。
それに対し、2022年の桜蔭ではそもそも単語を知っていないと答えられない問題が出題されています。
このような場合もあるので、後で紹介する時事問題の対策方法を日頃からしっかりと実践しておく必要があります。
開智
次に、開智ではどのような時事問題が出題されたかについて解説します。
以下の画像をご覧ください。
(下線部⑨は「少子高齢化の進む日本」です)
穴抜きで語句を答えさせる形式の他にも、このように語句についての一問一答形式で答えさせる形式の問題もあります。
ちなみにこの問題の回答は「介護保険制度」で、最近の中学受験の時事問題では重要語句になっています。
これを良い機会として、覚えておくようにしてください。
また、2022年の開智にはもう一つ注目すべき時事問題があったので、紹介しておきます。
4人の人の画像があり、その中から現在の中華人民共和国の国家主席の画像を選ぶ問題です。
この問題は、表面的な知識だけでは時事問題に対応できないことがあることを教えてくれるという点で興味深いです。
文字や文章での知識だけをつけるのではなく、日頃からニュースを見るなどして画像や映像などの生きた情報を把握することが、時事問題では大切になります。
大宮開成
次に、大宮開成の時事問題を紹介します。
2022年の大宮開成では、
「2021年10月から土曜日にハガキなどの普通郵便の配達が取りやめになったが、これに賛成するか反対するか、あなたの意見を50字以内で説明しなさい」
という趣旨の問題が出題されました。
この問題からは、2つの重要事項が説明できます。
まず一つ目は、近年の中学入試ではこのように自分の考えを説明させる問題が増えてきているということです。
このような問題では、ゼロから文章を作り上げる必要があるので、日頃からの訓練が大切です。
二つ目は、最近は働き方改革についての問題が出題されやすいということです。
この問題に答えるには、まず問題の取り組みが郵便業界の働き方改革の一種であることを見抜くことができるのが前提になります。
時事問題のキーワードとして、「働き方改革」を覚えておきましょう。
この他、2022年の大宮開成では「再生可能エネルギー」に関する記述問題、
「モーダルシフト」という語句を答えさせる問題など、時事問題の重要事項がたくさん出題されました。 全て押さえておきましょう。
城西川越
最後に、城西川越の時事問題を紹介します。
2022年の城西川越では、理科から時事問題が出題されました。
地球温暖化の影響を予測する気候モデルを作成して2021年にノーベル物理学賞を受賞した日本の科学者が誰なのかを答える問題です。
4択の選択問題で、正解は眞鍋淑郎さんになります。
この問題から言えることは、理科の時事問題に対応するには、近年の日本のノーベル賞受賞者については受賞理由や写真も合わせて覚えておく必要があるということです。
数人ほどなので、ぜひ覚えておくようにしてください。
大切なのは量じゃない!時事問題の「意外な」勉強法3選
ここでは、時事問題の効果的な勉強法について解説します。
社会や理科の基礎を徹底する
時事問題は社会または理科から出題されます。
時事問題に対応するには、時事問題特有の知識や考え方を身につける必要があるのは当然ですが、その前に社会や理科の基礎ができていないといけません。
理科や社会に苦手意識を感じている人は、時事問題の対策をするよりもまずは理科と社会の基礎を徹底して勉強してください。 そのことが、実は時事問題対策にも繋がります。
新聞等を通してニュースに触れる
受験直前期に一気に時事問題対策をして受験に挑むというやり方では、時事問題に対応できないでしょう。
なぜなら、時事問題は日頃からの積み重ねが大切な分野だからです。
たしかにテキストや過去問を使って対策することも大切ですが、一番大切なのは「新聞やテレビを通して日頃からニュースや社会問題に親しむ」ということです。
その際、ぼーっとニュースを見るのではなく、
「なぜこの制度が必要なのか」
「なぜこの取り組みが行われているのか」
といった感じで、常に疑問を持って考えながら見るようにしましょう。
そういった思考の積み重ねこそ、時事問題攻略の一番の近道なのです。
最新の時事問題対策テキストを使う
理科と社会の基本を徹底し、日頃からニュースに親しんでいると大体の時事問題には対応できます。
しかし、それではライバルたちに差をつけることはできません。
差をつけるには、市販の時事問題対策テキストを利用しましょう。
テキストには、
「近年の時事問題の傾向」
「その年の時事問題で出題されそうな重要事項のまとめ」
「予想問題」
など、時事問題対策には欠かせないことが詰まっています。
テキストを購入する際は、「最新の」ものを選ぶことだけは注意してください。
最新の出来事について出題される時事問題対策で過去のテキストを使っても、なんの意味もありません。
まとめ
2022年の中学受験の時事問題について解説しました。
近年重要視されている出来事や問題形式がわかっていただけたかと思います。
この記事を参考に、時事問題で周りと差をつけられるよう頑張ってください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。