中学受験は長丁場です。短い人でも2年近くかかるでしょう。
初めからエンジン全開では最後まで持ちません。
一体、いつから本気モードに入れば良いのでしょうか。
いつから受験勉強を始めるか
まず、いつから受験勉強を始めれば良いのでしょうか。
必ずしも「早ければ早いほど良い」とは言い切れません。
それは、お子さんの学力・志望校・性格等により変わってきます。
お子さんにどの程度の学力があるのか
学校の勉強が難しくなってくるのは、小学4年生あたりからと言われています。
特に算数ですが、億などの大きな数・小数などの小さな数・分数などの特殊な数・加えて図形や折れ線グラフなど、これまでになかった概念が出てきます。
ここで少し苦労するようであれば、3~4年生あたりから受験勉強を始めておいた方が安心でしょう。
塾も、時間に余裕があるため、この時期なら比較的ゆっくりしたペースで教えてくれるでしょう。
逆に、小学校の勉強は常にトップクラスで問題なくこなせているようであれば、5年生からでも間に合うかもしれません。
また、受験は小学校での勉強とは内容が違いますので、模試を受けてみるのもおすすめです。
専門的な指導を受けていない状態で、どの程度できるのか、どういったことが苦手なのか把握することができます。
ただし、難関校を狙っている等、特殊な事情があるときは早めにプロに相談しておきましょう。
お子さんはどのような性格か
試験で思ったような結果が出なかったとき、「悔しい!」と頑張ることができるタイプか、
「ダメかもしれない…」と落ち込んでしまうかは、性格によって違うでしょう。
どちらがより優れている、ということではありません。
負けん気が強く、困難な場面ほどやる気を出せるタイプであれば、短い時間に集中して勉強し、急激に成績を上げられることもあります。
そういった子は意志も強いため、熱心に取り組んでいる習い事があるのに、本人の気持ちを無視して受験のために無理やり辞めさせたりすると、かえって逆効果になります。
逆に、コツコツ根気よく予習復習を行い、言われたことをきちんとこなせるタイプであれば、早めに勉強時間を確保して計画的に進めた方が、本人も安心でしょう。
どの位からやる気が出るのか
やる気があるとは、具体的にどのような状態でしょうか。
「親に言われなくても自主的に勉強する」
「周りの子が遊んでいても気にならなくなる」
といったところが、小学生のやる気がある状態かと思います。
6年生の夏休みあたりから本格的な夏期講習が始まり、熱心な先生の指導や周りの様子に引っ張られ、モチベーションが上がっていくのが一般的です。
夏に勉強した分は、秋の模試結果に反映されます。
夏の時点で今一つエンジンがかかっていなかった場合、別の意味で秋の模試結果に反映されます。
志望校の合否判定もそろそろ気にするべき時期なので、「学力が足りていない」と本人が自覚すればエンジンがかかり、難関校に受かるお子さんもいます。
この場合、朝5時に起きて勉強し、1日8時間以上勉強しても平気な顔をしているようなタイプだったりするので、できれば夏頃にはギアを上げてほしい所です。
どうしたらやる気を出すのか
保護者としては、フラフラしているお子さんを見ると「やる気を出せ!」と怒りたくもなりますが、それではやる気にはなりません。
勉強し出したとしても、それはやる気が出た訳ではなく、怒られたくないだけなので、長続きしません。
どうしたらお子さん自身がやる気になってくれるのでしょうか。
行きたい学校がある
最も理想的なケースです。
親の独断で決めたのではなく、お子さん自身が行きたいと強く感じる学校があれば、目標に向かって頑張ることができるでしょう。
一番良いのは、学園祭に行くことではないでしょうか。
建物の中に入ることができる貴重なチャンスですし、催し物などを見学すれば、部活の雰囲気が分かります。
生徒さんと直に話せることもあるでしょう。
ネットの情報だけでは判断できない、その学校で生活する姿が想像できるかどうかが、大事なポイントだと言われています。
学園祭は秋に行われることが多いのですが、6年生の秋からやる気になるのでは、少し不安な面があります。
4~5年生の秋の段階で見せた方が良いように感じます。
勉強が楽しくなる
勉強は、頑張ればある程度のところまでは辿り着けるはずです。
特に、偏差値60位までであれば、勉強した分は上がっていきます。
成果が出れば、努力するのも楽しくなるものです。
模試の結果が悪かった
逆のパターンですが、油断してあまり勉強しなくなると、模試の結果が下がります。
志望校があれば危機感が芽生え、どこが足りていないのか本気で考え、自分で補うようになります。
お子さんの話を聞く
お子さんがあまりにも勉強に熱が入らないようであれば、そもそも受験を続けるべきかどうかも検討した方が良いと思います。
「辞めてほしくない」という気持ちがある状態で話を聞くと、お子さんもそれを察知してしまい、親御さんの気持ちを優先した回答をしかねません。
続けたくないのか、続けたいけど頑張れない理由があるのか、お子さんの気持ちを確認しましょう。
まとめ
親だけが熱心になり、子どもの意志を無視して本気になれと叱っても、良い結果にはなりません。
勉強を頑張ることは、お子さんにしかできません。
試験を代わりに受けてあげることもできません。
お子さんの意志を尊重して、伴走者として受験を乗り切りましょう。