中学受験を考えているけど、いったい「何年生」から準備をはじめたらいいかわからなくて困っているご家庭も多いと思います。
中学受験は家族で取り組む一大イベントです。
ここでは親がいつ頃からどんな準備を始めたらよいか説明していきます。
2年生の10月ごろからは親は準備をした方がいい、その理由とは
近年、私立だけではなく公立の中高一貫校も増えてきており、中学受験はとても身近になってきました。
小学校に入学したらすぐに中学受験を検討するご家庭も多いと思います。
保護者同士で話をしているうちに周りが中学受験をしようとしているからと、慌てて検討されるご家庭もあるでしょう。
いざ中学受験をしようとなれば、4年生の10月頃からは塾や通信教育、家庭教師などの具体的な勉強方法について決定しなければなりません。
そういった点から考えて逆算すると、子どもが2年生の10月ごろから親の準備を始めた方がいいでしょう。
意外と早いと思われるかもしれませんが、親の準備はなにかと項目が多いものです。
各種志望校の情報をはネットから集められますが、それ以外にも実際に学校見学をしたり、塾などで開催されている無料セミナーで生の声も聴けます。
それら資料を集めて、教育方針や高校からの一般学生の編入率、大学の進学率などについても調べ上げる必要があります。
子どもの一生のことですから、ある程度じっくりと考える必要もあります。
そう考えると「いつから始める」というよりも、「いつまでに準備を終わらせておく」ということをを起点にして逆算するのがよいでしょう。
そのような観点から、親の準備は2年生の10月から始めて4年生の10月までに終える。この貴重な2年間を有意義に使わなければならないのです。
親が準備すべき5つのこととは
親の準備が少しでも早い方がいい理由は、調べる事、検討すること、決定することが非常に多いからです。
中学受験はあくまでも子どもが主役ですが、親の調査力・行動力といったサポートがとても重要です。
どういった中学に通うことが「できるのか」という実現可能な側面から、親が受験する中学校を絞り込んでおく必要があります。
ここからは、親がどういった準備をするべきなのか、5つのテーマに分けて説明していきます。
1)金銭的な面を考慮する
まず最初に金銭的な面を考える必要があります。
1年間で必要な費用の平均は、公立では48万8397円、私立では140万6433円(※)です。
私立の方が公立よりも約91万円も多く、約2.9倍近くかかります(公立とは公立中高一貫校も含む・この平均費用は給食費も含む)。
同じ中高一貫校でも私立と公立とでは中学3年間では約300万円弱の差があります。
また子どもが中学生になるころには、家のローンや車を買い替えたりといった大きめの支出も考えられます。
そのために貯蓄を計画的にするなど、お金の面についてシビアな検討と準備をしておく必要があります。
※出典:文部科学省「平成30年度・子供の学習費調査」
2)毎日の通学は負担にならないかを検討する
金銭的な面の検討を終えたら、次に物理的な距離について検討する必要があります。
具体的には、電車に乗って通うのは良いとするか、県外も候補に入れるか、越境も視野にいれて引っ越しも考えるか、などです。
実際に電車に乗って通学となると、毎月の定期代もかかってきます。子どもの体力的な面も考慮にいれておく必要があります。
3)候補の中学校を複数選ぶ
1)、2)がある程度固まったら、候補になる中学校を選んでいきます。
最初から行きたい中学校があれば、それは1)2)を度外視して、いったん候補に入れておきましょう。
候補に選んだ中学校の生徒数や偏差値、課外活動の方針や部活動など様々な情報を整理して、一覧にすると検討しやすいです。
また、家からの通学時間や学費などもわかれば付け加えておきましょう。
4)子どもと候補の中学校を絞り込む
候補の中学校が出てきたあたりから、子どもに中学受験の意思があるか確認しておきましょう。
中学受験に興味を持てるという程度なら、取り寄せたパンフレットやホームページで確認しつつ、学校説明会にも参加して親子で学校のイメージを具体的にしていきましょう。
まだ1つの学校に絞り込む必要はありませんが子どもが主体的に志望校選びに参加しないと、この先の受験勉強が親に言われて取り組んだと思うようにもなります。
そうなると、途中で中学受験を止めたいといった事態にもなりかねません。
中学受験は子どもの人生の一部でもあるので、親子で丁寧に時間をかけて学校選びをしましょう。
5)塾に行くか、家庭学習にするかを決める
受験したい中学校の候補が家族内で絞り込めてきたら、いよいよ学習方法について決定していきます。
この時点で4年生の8月ごろだとベストです。
塾に行って勉強するか、通信教育や家庭教師に指導してもらって家で勉強するか、全ての方法を採用するか、などどのような方針にするかを決めましょう。
ここまでを4年生の10月からは何をするのか?
志望校を決めて、塾か通信教育、家庭教師などの学習方法も決めても、まだ決めることがあります。
それは「どの塾のどのクラスにするのか」「どの通信教育のどのコースにするのか」「どの家庭教師派遣会社のどんな先生にするのか」といった具体的な取り組み内容です。
これを4年生の10月から4年生の1月ごろまでには決めておき、4年生の2月には受験勉強を本格的にスタートさせるというのがおすすめです。
親の受験の準備は、できるだけ早く
子どもに中学受験する意思があるかどうか確認することは大切です。
ですが、子どもが物心ついて、自ら中学受験を決意してから準備をしていては時間が足りません。
親はそれまでに膨大な情報からある程度ふるいにかけて、子どもと志望校を選択する必要があります。
その後、塾に行くなら「どの塾にするか」「どのクラスにするか」、
通信教育なら「どの通信教育にするか」「どのコースにするか」「オプションはどれを付けるか」、
家庭教師にするなら「どこの家庭教師にするか」「知り合いに頼むか」
など志望校決定後にも詳細に決めることがあります。
中学受験をすると決めたからには、通過点とはいえ合格が目標です。
目標を達成するためにも、中学受験を考えている保護者の方は、準備を先送りにせずできるだけ早く行動してください。