帰国子女のお子さんがいる家庭では「帰国子女の経歴は受験に活かせるの?」と不安になるご両親もいるはず。
この記事では、帰国子女が中学受験をするときの条件や、中学受験で帰国子女に求められる内容、帰国子女枠で中学受験に必要な準備など、3つの内容を解説します。
帰国子女が中学受験をするときの条件
ほかの小学生と違い、帰国子女には特定の条件が定められていると覚えておいてください。
とくに覚えておきたいポイントは3つあります。
・帰国後年数が短い
・海外滞在年数が長い
・出身校の種類にも規定がある
帰国後年数が短い
帰国子女は帰国後の年数が短いほど、中学受験に有利です。
多くの学校は、帰国してから早くて2年以内、遅くても3年以内を条件にしています。
海外滞在年数が長い
帰国子女は海外滞在年数が長いかどうかも、条件に加えられています。
多くの学校は1〜2年以上を条件にしており、より長い3年以上、5年以上の滞在年数を条件としている学校もあります。
継続での滞在年数と通算での滞在年数、どちらが対象になるかは学校によって変わるので、ご注意ください。
出身校の種類にも規定がある
帰国子女は、海外でどの種類の学校出身かによって、入学できる学校が絞られてくることをご存じでしょうか。
海外の学校は、現地校、インターナショナルスクール、日本人学校の3種類に分けられます。
現地校は現地の国の子供がメインで通っている学校、インターナショナルスクールは日本に住んでいる外国籍の子供たち向けの教育施設、日本人学校とは帰国子女たちに規定された教育をする学校です。
中学受験で帰国子女に求められる内容
日本の中学校が、帰国子女に求める内容は次の2つです。
・英語がどのくらい話せるか
・さまざまな価値観を受け入れられるか
英語がどのくらい話せるか
帰国子女が中学受験をするときに、かならず評価されるところは英語をどのくらい話せるかです。
実用英語と呼ばれていて、英語圏での海外生活を送ってきた帰国子女には、現地でどのくらい英語を話せる能力が上がったか期待されているのです。
さまざまな価値観を受け入れられるか
帰国子女は、海外でさまざまな価値観に触れることが多いですよね。
海外の異なる文化や多様性、価値観に触れて受け入れられたかどうかは、受験結果に影響します。
国際感覚と呼ばれていて、価値観を受け入れられる柔軟性や、自己表現力の高さを求められます。
帰国子女枠で中学受験に必要な準備
帰国子女は中学受験でなにを準備すればいいのでしょうか。
志望校の特色を調べる
帰国子女が中学受験をするにあたり、かならず準備しておかなければならないのは、志望校が本人に合っているかどうかの調査です。
志望校の特色と本人の長所が一致しなければ、志望校を変える必要が出てきます。
無理なく学校に通えるか、学校生活を通じて自分の能力を伸ばせそうかを判別するために、志望校の特色を調べておきましょう。
面接練習
帰国子女の受ける面接は、ほかの子供たちが受けてきた中学の面接と少し違う内容になりやすいです。
上述した通り、帰国子女に求められている内容は、ほかの子供たちとは違います。
面接が重要視され、子供の価値観や、どんなふうに物事を捉えているのか、考えているのかを評価されるのです。
海外生活でどんな経験をしてきたか、海外で実際に経験して学んだことは面接で聞かれます。
志望理由、趣味や特技なども聞かれるでしょう。
海外での経験談、経験を積んで得た教訓などを絡めて、志望校の特色が合っていることをアピールしましょう。
3教科の勉強
ほかの中学受験をしてきた子供たちは、国語・算数・理科・社会・英語の5科目をメインで勉強しています。
しかし、帰国子女の入試に向けて全科目勉強するのではなく、3科目に勉強を絞ったほうがいいでしょう。
帰国子女の入試では、国語・算数・英語の3科目と面接が基本です。
志望校によって、受験科目は大きく違ってきます。
たとえば、国語・算数の2科目だけ、英語だけ、国語・算数・理科・社会の4科目すべて、日本語と英語の作文などです。 志望校は、はやめに決めたほうが有利だと覚えておいてください。
帰国子女の中学受験ははやめの準備が大事
「帰国子女は志望校選びから中学受験が始まっている」と言っても、過言ではありません。
志望校によって、準備や対策がまったく違ってくるからです。
教育理念・指導体制、学校の雰囲気、通いやすさなど、学校によって違います。
私立中学の受験日は、首都圏だと1月10日〜2月1日が多いです。
しかし、帰国子女に合わせた入試は11月下旬からスタートする学校、一般入試と同じタイミングで実施する学校があります。
志望校を決めるときは、子供の意見や考えを尊重しつつ、両親より子供が行きたいと思った学校を志望校に選びましょう。
受験勉強が追いつかなそうなら家庭教師に手伝ってもらう
ほかの中学受験生たちより、すべてを早めに決めなくてはいけません。
もし英語以外の受験勉強が追いつかなそうと感じたら、まずは子供に話を聞きましょう。
子供が「勉強がつらい」と思っているなら、家庭教師を選択肢として提案してあげてください。
最優先は両親の気持ちではなく、子供の気持ちだと忘れないように注意しましょう。